財団法人日本ラグビーフットボール協会は、2019年に日本で開催されるワールドカップに向けて、強く、魅力ある日本代表の実現に中長期的、戦略的に取り組む「ラグビーワールドカップ2019日本代表戦略室」を代表委員会に設置し、「ラグビーワールドカップ2019日本代表戦略室長」(Chief Strategic Officer)に2012年度日本代表アシスタントコーチの薫田真広氏を任命しました。

同室の設置並びに室長の任命は2月23日に開かれた弊協会の第9回理事会で審議、承認されました。設置、任命ともに同日付で、活動の本格始動は3月を予定しています。

財団法人日本ラグビーフットボール協会専務理事の矢部達三は、25日に開催した記者会見で、同室設置の理由について「これまで、日本代表の強化はワールドカップサイクルの4年単位でした。しかし、2019年に日本で開かれるワールドカップの舞台で世界を驚かせるような結果を残せる日本代表を作り上げるには、6年先を見据えた中長期的、戦略的な取り組みが不可欠だと考えました」と説明しました。

「ラグビーワールドカップ2019日本代表戦略室」のミッションは、以下の3点です。

1. 2019年にワールドカップを戦う日本代表の中核となる優秀な若手選手の発掘や育成
2. 海外の優秀な人材の登用も含め、2019年に向けて充実したスタッフ・指導者の構築
3. 日本代表の強化だけでなくラグビー全体のプロモーションにもつながるマッチメイク

薫田氏を戦略室長に任命した理由について、矢部専務理事は「国内で最も実績と経験がある指導者の一人で、今シーズンは日本代表アシスタントコーチとして経験を積みました。海外遠征に数多く参加して海外の人脈も豊富です。日本ラグビーの環境や日本選手の特性、世界列強の壁の厚さと高さを誰よりも知っている人物です。今後は、その経験をマネジメントの分野で活かして欲しいと期待しています」と述べました。

薫田新室長は就任にあたり、「大きな責任を感じている。自分自身は三つのミッションのうち、特に最初の二つにまず徹底的に取り組んでいきたい。2015年のワールドカップという目標に対する各国の若手強化の方針が明確になっている中で、私も特に若手の強化に、これから6年間、取り組んでいきたい。大学生から社会人2 - 3年目までのS&C(ストレングス・アンド・コンディショニング)からしっかり強化したい。昨年の日本代表欧州遠征でスクラムの重要性を痛感したので、『タイト5』(FW第1列と第2列)の強化にも力を入れたい。2点目のスタッフ・指導者の構築については、2019年の後を担う指導者も含めて、『世界で勝つためにどうすればいいのか』を考えるようなマインドに変えていくとともに、2019年に勝てる指導者をしっかり見極めていきたい。長いスパンの活動で、あまり表に見えないかも知れないが、しっかりしたビジョンを持って取り組みたい」と抱負を述べました。