報告: 山崎修平(鹿児島県協会女子担当・明桜館高校女子ラグビー部監督) 平成22年、鹿児島県ラグビー協会・女子ラグビー委員会の発足以来、県を代表する女子ラグビーチームとして、小学生から成人女性まで幅広い年代層の25名が活発なラグビー活動を行っております。 この活動を後押しする出来事として、県内で初めて県立高校において女子ラグビー部の活動が公式に認められました。県ラグビー協会の女子ラグビー委員会担当と県協会代表チームの監督を務め、私が勤務する新設校の県立明桜館高校に女子ラグビー部が発足しました。今年の4月には3年生1名・新入部員1年生4名の計5名を迎え、県協会の女子代表チームとも親密な連携の下、活発な部活動がスタートしております。 いつも合同で練習している県の女子ラガーの皆さんと 明桜館高校は、甲陵高校と鹿児島西高の統廃合により、平成22年度に設立された新しい高校です。私が以前勤務していた甲陵高校にはラグビー部が有りましたが、赴任した当時は、統廃合を控え生徒の募集停止により生徒数そのものも減少しており、休止状態でした。ラグビー部の活動を再開すべく、男子生徒を何度か勧誘したのですが、残念ながら全くの無反応のまま統廃合に至り、新しい明桜館高校が誕生しました。 時は同じく平成22年度に入り、鹿児島県協会より女子ラグビーの普及・育成を任され、小学生から社会人まで幅広い層の女性達に声掛けを行い、月2回の練習からスタートし、今では試合が組める程に成長して来ました。 また、何とか明桜館高校でもラグビー部を立ち上げ、毎日練習を行いたいと考えていた矢先、女子生徒から「ラグビーをやりたい!」と言って来ました。しかしながら、「女子ラグビー部」というものが存在せず、最初は自主練習という形で放課後の練習を開始しました。 ふだん練習している高校のグラウンドは天然芝 当初、学校の管理職からは、「女子ラグビーは高体連に加盟していないので、創部は難しい!」「なぜ男子ではないのだ?」等と了解を得ることが難しい状態が続きましたが、女子ラグビーを理解して欲しいとの思いで、幾度となく校長室を訪れ、資料をもとに女子ラグビーの現状と今後の展望等について説明を行いました。 そんななか、部顧問会では「新しい学校なので、何か珍しいことに取り組まないと生徒が集まってこない!」「男子でもなかなかやらないラグビーを頑張っているのだから!」等の、女子ラグビー部創部を後押しする意見が集まり、校長の了承を取り付け、念願の女子ラグビー部発足に漕ぎ着けました。 また、鹿児島実業高等学校の女子生徒も自主練習に加わり、3人での練習がスタートし、その模様を新聞社に写真付きで取り上げてもらい、その効果等から今年度・24年度には4人の新入部員を迎える事が出来、この内2人は県の女子ラグビーに加入している生徒でした。 放課後の部活動としての練習はもとより、今後、ラグビーの面白さ・魅力を伝えて行くと共に、部員の勧誘を積極的に展開し鹿児島県内初めての高校女子ラグビー部を盛り上げ、部員を増やし競わせる事により、将来、鹿児島県の女子選手からオリンピック選手が出てくる事を夢見て、日々頑張り努力しております。 最後に、私が指導する明桜館高校の女子ラグビー部員の生の声を聞いてみましたので、以下に紹介致します。 問1:ラグビーを始めたきっかけ A: 自分が太っていた時に、ラグビーを始めるとやせると先生に言われ誘われたから。 B: 父がラガーで、ラグビークラブに誘われ体験し面白かったから。 C: 友達に誘われて体験をしたらとても楽しかったので。 D: 親から、明桜館高校に女子ラグビー部が有る事を聞かされ、自分からやってみたいと思ったことがきっかけ。 E: 家族でラグビーの試合観戦に行った時、場内放送で女子ラガーの募集を聞き、興味が湧き始めようと思った。 問2:ラグビーをしていて楽しいところ A: トライを取って仲間と一緒に喜び合って盛り上がるところ。 B: 試合中に相手を抜き、トライをすること。皆でボールを繋いで一致団結して頑張れるところ。 C: 皆で1つのボールを繋いで相手をかわしながらトライをするところ。 D: 声を出しながらパスを回したりキックをしたりする時。 E: チームで息を合わせて全力で走りながらボールを繋ぐ事。 問3:ラグビーをしていてきついところ A: 試合中に体力がなくなってきたところでタックルを決めないといけない時。 B: 試合や練習で手・足をきつく踏まれること。タックルされて、止められた時。 C: 試合などで手足を踏まれてケガをする事。 D: 全力で走る事や、タックルされた時。 E: ずっと全力で走っているので疲れる事。また、自分より強い人にタックルをされた時や、ラグビーはケガが多い事。 問4:これまでの運動(部活動)の経歴 A: バスケット・陸上・弓道 B: 小学校4年からラグビー・中学校の部活動剣道・小学校4年-小学校6年まで水泳 C: 小学校5年からバレーボール D: 小学校2年-中学校1年まで水泳・小学校小4年-小6年までソフトボール・中学校3年間軟式野球部 E: バレーボールを6年間 問5:今後の目標 A: 女子ラグビーを有名にしたい。女子ラグビーをしていると言った時に、「珍しいね」とか「すごいね」って言われないくらい有名にしたい。 B: 鹿児島県女子ラグビーで他の県に負けないようなチームを作る事。タックルされてもしっかりとトライを決められるようにする。 C: 体力を付ける。ボールを遠くに蹴れるようにする。 D: 体力を付け、声を出してパスを回し、皆に追いつけるように頑張りたい。 E: 持久力を付ける。スクリューパスを遠くまで投げられるようにする。早い判断力を身に付ける。