「イタリア・フランス遠征」レポート‥‥1 ■高校代表遠征16日目:2012年3月26日(月) 昨日の勝利から一夜明け、今日はトゥールーズ市内観光に出掛けました。午前中は地元のラグビースタジアム、スタッドトゥールーザンを見学しました。所属選手もトレーニングしており、フランス代表キャプテン・デュソトワールとの記念撮影も実現しました。 午後は市内中心部に移り、ショッピングや観光を楽しみました。 明日の午前にはトゥールーズからミュンヘン経由で日本へ帰国します。 フランスで称賛を受けたチームがいったん解散してしまうのは大変寂しく感じますが、地元の方々やたくさんの方々の支えで素晴らしいツアーになりました。 スタッド・トゥールーザンのグラウンドにて グラウンドで記念写真 フランス代表キャプテンのデュソトワール氏と スタッフもデュソトワール氏と 【選手紹介】 今回は、ハーフ団&バックスリーのメンバーです。今年の強みであるフラットアタックのタクトを握るハーフ団、そして最後の仕留めを担うバックスリーです。 金子峻大:JAPANの高速ATを生み出すパスワークで勝利に貢献します。 湯本睦:テンポとスピードで試合の流れを作り勝利を掴みます。 合谷和弘:自分のやれることを最後までやり遂げます。 山沢拓也:トライをとります。 久内崇史:体を張ったタックルと持ち前のスピードでチームの勝利に貢献します。 近藤秀人:爆走 松井千人:電光石火のスピードで相手を翻弄します。 重一生:いつものように自分らしいダイナミックなプレーを心がけます。 ハーフ団・山沢選手・金子選手・湯本選手・合谷選手 カメハメ波! WTB/FB陣・重選手・久内選手・近藤選手・松井選手 王子様? ■高校代表遠征15日目:2012年3月25日(日) 本日朝にサマータイムに変わり、日本との時差も8時間から7時間に変わりました。 朝9時30分に起床し、10時から散歩・ストレッチと試合に向けての調整を進めました。その後プレマッチミールとして、通常の朝食に加えて、おにぎり・焼うどんを食べました。 本日最終戦は総力戦となることが予想され、選手・スタッフ全員が日本食からエネルギーを蓄えました。 ビッグストレッチ プレマッチミール ジャージ授与式では、前田団長・松井監督そして木村主将を中心に最終戦を勝利で終えることを誓い、選手・スタッフ一丸となって試合に臨みました。 試合は、Stade L'Unionで行われ、U19Toulouse academyとの対戦でした。Toulouseでの事件(トゥールーズのユダヤ人学校で発生した銃乱射事件)の被害者への黙祷を行いキックオフとなりました。Toulouse在住の日本の方も含めた多くの観客の前で、ジャパンはテーマとする4Hとフラットアタック・シャローDFを見せつけます。前半は体格に勝るToulouse academyがFW・オフロードパス中心に攻めますが、ジャパンも激しいタックルで対抗し20-3で折り返します。 後半に入るとジャパンのフラットアタックや順目アタックから5Tをあげ51-10でノーサイドとなりました。第三戦の勝利と、ジャパンのスピードあふれるラグビーがToulouseの方々に残した印象は大きなもので、今回の試合でもジャパンのプレーには大きな歓声と喝采が送られました。 ジャージ授与式 シャローを意識したアップ 試合前のロッカールーム 試合前の黙祷 素早いアタック シャローDF ノーサイド 両チームでの記念撮影 健闘をたたえあう両チーム 試合後のアイスバス 試合後、本日も盛大にアフターマッチファンクションが行われました。U19Toulouse academyとお互いの健闘をたたえあうとともに、Toulouse滞在中に大変お世話になったL'Unionの方々に感謝の意を伝えました。特にリエゾンとしてお世話になったジャン・ポールに謝意としてジャージを贈呈し、チームソング『楕円桜』をおくりました。 ホテルに戻り、前田団長から改めてねぎらいのお言葉をいただきました。 本日で遠征の試合は全て終了しました。明日軽いリカバリーと、観光を行い帰国への準備となります。 アフターマッチファンクション アフターマッチファンクション2 楕円桜斉唱 ■高校代表遠征14日目:2012年3月24日(土) 遠征14日目、最終戦へ向けてチーム高校JAPAN最後の練習日、朝はストレッチ等の体ほぐしを入念に行い、楕円桜の合唱練習も行いました。 午前は、明日の試合日程と同様にダイナミック・ストレッチを行い、午後の練習準備としました。 午後は試合会場の見学後、練習グラウンドにてチーム高校JAPANの最後の練習を木村キャプテン中心に、キャプテンズランを含めて行いました。フランス代表との試合の修正点や自分達の強みを確認していました。 とにかく今日は天気が良くて、日の当たる所では自然に汗ばんできて春真っ盛りです。フランス・トゥールーズでも桜を見ることができ、まさに春を実感しますが、明日の最終戦でチーム高校JAPANが楕円桜を満開にしてくれることを期待しています。 宿舎近隣の桜の木 朝の楕円桜の合唱 最終練習前の選手トーク 最終練習FW 最終練習BK 最終戦の会場 【選手紹介】 今回は、ロック&3列のメンバーです。チームのパワーハウス、ディフェンス・アタックともにチームの動力源です。 小林航選手:ラインアウトがんばります。 オネセマ・ハフォカ選手:激しいプレーでチームに貢献します。 長谷川崚太選手:自分の強みを出して、チームの勝利に貢献します。 東和樹選手:体を張って、チームに貢献します。 藤田貴大選手:タックルに命をかけます。 佐藤穣司選手:日本代表としての誇りと責任感を持ち、チームの勝利のために体を張る。 上田宥人選手:常にひたむきにチームに貢献できるプレーヤーを目ざします。 木村貴大選手(キャプテン):今回あこがれの桜のジャージに袖を通すことができました。選ばれてからが本当の戦いであり、スタート地点。応援してくれている方々、合宿等で支えてくれた方々へ恩返しするのは結果で示すことだと思います。プレッシャーを感じるのではなく、思いっきり楽しんできたい。また、今こうやって思えることがどれだけ幸せなことを痛感しています。 セカンドロー・オネセマ選手・小林選手 バックロー陣・東選手・木村選手・上田選手 バックロー陣・長谷川選手・佐藤選手・藤田選手 ■高校代表遠征13日目:2012年3月23日(金) 今朝のトゥールーズは天候も良く、清々しい朝を迎えました。 午前はリカバリートレーニング、午後はフランス戦レビューミーティングの後、次戦に向けたトレーニングを実施しました。 フランス戦勝利に地元の注目度も大変高まっており、行く先々で現地の方々から「日本のラグビーか?」と声を掛けていただきます。 テレビ局(フランス3ch)の一日密着取材もあり、フランス代表に勝利したことの事実の大きさを実感している日々です。 前回に引き続き、ラグビー専門新聞の記事を紹介させていただきます。 「フランス、日本に敗れる トゥールーズの人たちに思いがけないスポーツニュースがあった。フランスに遠征している日本チームはしかるべき方法でフランスチームに力を見せつけた。2年前にオルレアンで日本チームは試合の最後に24-25でフランスチームに負け、快挙を逃した過去があり、フランスチームは日本チームの気迫の前に敗戦した」 今回は最後に、木村キャプテンにフランス戦の激闘を振り返ってもらいます。 ──試合を振り返ってみて 「フランス戦では、イタリアでの反省をみんなが共通理解し、そして何よりも試合を楽しむことができました。ベンチから仲間の声。スタッフのサポート。会場からは大きな声援。全てが新鮮でそこには笑顔がありました。最後のノーサイドの瞬間、歓喜の輪。最高の経験です」 ──勝因を挙げて下さい 「日本代表メンバー全員が決してあきらめることなく、前を向き、勝利を信じた結果です。前半、5点差でリードされ折り返した時も、後半PGをはずしてしまった時も、それでも全員が勝利を信じ、"勝ちたい"と強く思いプレーしました。グラウンド内では終始、声を掛け続け合いました。選手・スタッフが一つに。それが最大の勝因です」 ──【JAPANの強み】と感じるところを教えて下さい 「結束力とディフェンスです。特にディフェンスにおいては確かな手応えを感じています。JAPANの得点はディフェンスからトライをとることが多く、全員が体を張って、低く!鋭く!激しいタックルで何度も相手を仰向けに倒すことができました。小さくても負けていません」 ──最後に日本のみなさまにメッセージをお願いします。 「今回のフランス戦、私達は日本のみなさまに、感動と勇気。そして将来の日本ラグビーの希望の為にも、結果を出して歴史を創ろう!と誓い、挑みました。 今、私達がフランスでプレーできるのも、たくさんの方の応援や協力のおかげです。日本のラグビーファンのみなさまにさらなる感動や希望を与え続けられる様に、この結果に決して慢心するのではなく、努力を怠らずプレーし続けます。最後の一戦、全力で楽しんでいきます」(主将 木村貴大) 第3戦のレビュー 午後練習、セルフアップからスタート ユニット、FWの修正練習(ラックサイドのDF確認) ラックサイドDF確認、低い姿勢と前に出るリアクションを意識して フランスTV局の取材に答える松井監督 フランスでのサポートの方々と松井監督(ジャン・ポール、通訳の渡辺さん) ■高校代表遠征12日目:2012年3月22日(木) フランス戦の歴史的勝利から一夜明け、勝利の実感の深まりとともに爽やかな朝を迎えました。選手の疲労はピークですが明るい雰囲気で生活してくれています。 今朝の地元新聞に以下の記事が掲載されていましたのでご紹介させていただきます。 フランス戦の地元新聞記事 「日の丸チームのリズムにトリコロールチームは終盤疲れきってしまった。U18フランス代表チームにとってこのゲームは今年の夏、アメリカで行なわれる18才以下の世界大会に向けた大切な位置付けであった。 日本は敵地で受け身になり一方的にやられるどころか、緻密に準備された戦略を冷静に遂行し、絶え間ない駆け引きでフランスチームの判断力を狂わせ、沈黙させた」(一部抜粋) 今日は午前中にリカバリーを実施した後、午後からは世界遺産のカルカソンヌ観光に出掛けました。 世界遺産・カルカッソンヌ(お城) カルカッソンヌ カルカッソンヌの中、城壁の中に古い街並みがあります ■高校代表遠征11日目:2012年3月21日(水) 遠征11日目、朝の天気は曇り。本日は遠征第3戦:U18フランス代表戦を迎えます。 地中海に面したイタリアとは異なり、フランスはまだ気温も低く雲も多い状態が続いています。遠征も中盤を迎え、選手・スタッフも体調管理に細心の注意をはらっております。 朝の体操 朝食 新聞社取材のときの集合写真 朝はいつも通り大石トレーナーによる体操から始まりました。朝食はビュッフェ形式。イタリアよりもクロワッサンやパンの種類が豊富で、選手たちは朝食だけとっても国の違いを感じております。午前中はコンディショニングを行い、昼食前に地元新聞社の取材を受けました。午後にジャージ授与式を行い、第3戦必勝への決意を全員で固めました。 キックオフ4時間前にプレマッチミールを入れたのですが、今回はフランスで日本食料理店『おおきに』を開かれている田所さんにおにぎり・焼うどんなどの日本食をご用意していただきました。出発前にミーティングを行い、モチベーションビデオにてさらに気持ちが高まります。そのままグラウンドへバス移動となりました。 グランドの状態は、ややウェットで風もやや強め。いつにも増して集中力の高いアップで体をあたため試合に臨みました。 プレマッチミール 気合の入ったアップ 国歌斉唱 試合開始早々、日本がフラットアタックとシャローディフェンスで優勢に試合を進めますが、前半11分ラックからトライを決られます(G成功0-7)。しかし前半17分ゴール前のラックから1番植木がトライ(G:成功7-7)。さらに前半22分、ラックからのキックパスからWTB近藤がトライ(G失敗:12-7)。 しかし前半27分、ジャパンの反則からゴール前まで迫られフランスがトライ(G成功12-12)。さらに前半34分、自陣ゴール前ラックからサイドをつかれて失点(12-17)。前半最後に失トライという劣性の中後半を迎えます。 後半開始早々に相手の反則から得たスクラムを生かし、そのままトライ(G1成功:19-17)。フランスも攻勢し、一進一退の攻防を続けながら、フランスがPGを決めます(19-20)。その後もジャパンは低いプレーで常にプレッシャーをかけ続け後半32分、SO山沢のPG成功(22-20)。さらに後半ラストプレーでターンオーバーからWTB近藤がトライ(G失敗:27-20)。そのまま試合終了。ジャパンはフランスU18相手に勝利を収めました。 ファーストスクラム 健闘をたたえあう両チーム 試合の後は、スタジアム横のクラブハウスにてアフターマッチファンクションが開かれました。以前の遠征と同様にフランス協会主催のアフターマッチファンクションは非常に中身の濃いもので、選手たちも食事と交流にと十分満足した様子で、また今後の日仏の関係をより強くするものでもありました。フランス協会及び関係者の皆様にはこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。 試合後の円陣 アフターマッチファンクション ■高校代表遠征10日目:2012年3月20日(火) 遠征10日目、フランス。朝は昨日の長距離バス移動の疲れをほぐすために、ストレッチ等で体ほぐしを入念に行います。 午前は、ここまでの疲労回復のために積極的休養を取りました。 午後からは、宿舎から徒歩15分ほどの練習会場において、キャプテンズラン(イタリア代表との試合から学び取った修正点と明日のフランス代表との試合へ向けての確認)を行いました。その後、バスで移動して試合会場の見学をしました。 夕食後は、選手ミーティングでエリアでのプレーの再確認と意思統一などを行いました。 フランス協会をはじめ、現地トゥールーズの方々のサポートにより、安全に日程を消化することができました。 朝の体ほぐし フランスでの宿舎 練習会場 キャプテンズランその1 キャプテンズランその2 明日21日の試合会場