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9月23日

前回より約2ヶ月ぶりに第74回女子セブンズユースアカデミーを開催しました。前回に続き、オンラインでの開催です。また、今回は全国高体連ラグビー専門部副部長で女子の担当をしてくださっている石井先生もお忙しい中、ご参加くださいました。



東京オリンピック後、初めてのアカデミーの開催です。前回の「オリンピック教育」をうけ、どのように感じながらオリンピックを観戦し、何を学んだでしょうか?
はじめのオープニングでは「集中力ゲーム」を行いました。1つのクエスチョンが与えられましたが、回答をした後に「その他に気づいたことは?」と問われました。ラグビーでは、1つのプレーに集中しながらも視野を広くすること、周囲から影響を受けることなく1つのプレーだけに集中することの両方が必要です。このゲームを通して、再確認しました。


次に「東京オリンピック・パラリンピックで印象に残っている種目を3つあげてみよう。」ということでグループに分かれコミュニケーションを図りました。皆、ただ種目をあげるだけでなく、なぜその種目が印象に残ったのか、どんな場面に感動や共感を覚えたのか、理由をしっかりと述べて説明をしてくれました。様々な種目があがり、いろいろな角度から見て観戦をしていたということがよくわかりました。



次に「栄養」のセッションです。今回のテーマは「試合の時の食事」です。筋肉量をアップさせるためには筋トレだけではダメで、筋トレ+食事が大切なこと。試合間は補食で済ませがちですが、食べなければ試合のエネルギー源にならないこと。それはいくら良いトレーニングを積んできてもパフォーマンスが十分に発揮できないことにつながります。何をどのくらい摂ったら自分は動きやすいのか?それをしっかりと把握しておくことが大切です。

また、「食べるタイミングによって食べたら良いものが変わる」ということをいくつかの同じような商品を比較し、なぜそれが良いのか?見るポイント等を教えていただきました。培ってきたパフォーマンスを最高に発揮するためには大切なことです。



水分補給のポイントについても運動の前・中・後に分けて教えていただきました。体重の何%を失うとパフォーマンスにどのような影響が現れるのか、水分補給は運動のどのくらい前から行わなくてはいけないかなどをわかりやすく説明して下さいました。

暑さのピークは越えたものの、まだまだ暑さが続いています。しっかりと水分補給も行わなければいけません。最後に東京オリンピックの代表選手から「世界と戦って体重の軽さを感じた」というメッセージを頂きました。世界の選手と実際に戦った選手の言葉をとても真剣な表情で聞いておりました。


今回のS&Cセッションは、「アカデミーS&Cのターゲット」「Recovery」の2つに絞り行いました。「しつこく・激しく動き続ける・全員で繋がる」と、全員が集まる合宿はできておりませんが、やることは変わらない。再会時には確実にフィジカルアップした状態で会おう、と知念コーチからアカデミーとしてクリアする基準、さらにSDSを見据えた基準が示されました。

太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2試合を振り返り、どこに課題があるのか、それを克服するためにはアカデミーとして大切にしている「7H」のさらなる徹底、ゲーム中のコミュニケーション量アップがあげられました。「どんな状況でもどんな相手にも大切なことを大切に」と選手の表情もより引き締まりました。


次に、短時間での疲労回復ということで、リカバリーの目的は心身の回復+100%のパフォーマンスを発揮する準備であること、そして、疲労状態に合わせてリカバリーを選択できるように、自分に何が足りないのかを考え、常にベストが出せるように、「強化」と「回復」のバランスが大切だと教えていただきました。



午前中の最後は、「東京2020大会」についてのセッションです。オリンピックのモットー「より速く」「より高く」「より強く」に、この東京2020大会では「一緒に」という言葉がプラスされました。今回、サクラセブンスに帯同していたチームのスタッフの方に、出場した選手の選手村での様子や、他国の選手の様子、試合の日のアップからピッチに入るまでの様子などをお話いただきました。各試合の後の取材については、自分の言葉が世界に発信されるので的確に伝わるように話さなければならないというお話もありました。自分の思いを言語化するということも日頃から意識しておく事が大切です。また、各国の得点・失点・タックルの回数等1つ1つの動きのデータを見て分析をしました。数字だけではわからないこともありますが、数字が教えてくれることもたくさんあるんだと気づきの時間となりました。


お昼の休憩をはさみ、午後の最初のセッションは「Rugby」です。東京2020オリンピック大会の映像を基に、チームJAPANの強みとは?という視点で動画を分析し、個人に焦点を当てて「7H」を考えてみました。最後まであきらめない姿勢、独走になっても最後まで追いかける。それが次のプレーに繋がっていることを再確認しました。次に、太陽生命WSSレビューを選手、スタッフ全員で行いました。7H、13人の役割(先発・後発・バックアップ)、コンディショニング、・モメンタムについて考えました。

特に今回は1番最後の「モメンタム」について兼松ヘッドコーチよりオセロに見立ててレクチャーがありました。時間・エリア・点差・人数を見て的確なマネージメントをするために、日頃の練習から試合のさまざまな場面を想定することが大切です。また、自分の強みを増やし、それをとことん伸ばすことや「チームというパズルの1ピースになる」とはどういうことなのか考えることが、今後の課題です。


本日の最後のセッションは、「東京2020 D&Iアクション―多様性と調和―」の内容を行いました。東京2020大会の基本コンセプトから、多様性、一人一人の違いには何があるだろうか?、誰もが生きやすい社会ってどんな社会だろう?ブレイクアウトルームに分かれそれぞれ意見を出したり話し合ったりしました。東京オリンピックが残してくれたレガシーとしてのD&Iアクション。東京オリンピックで学んだことをどう生かしていくか?自分はどんな一歩が踏み出せるか?1人1人が考え、これからアクションします。


今回のアカデミーもたくさんのことを学びました。東京オリンピックのサクラセブンスの平均年齢は22.5歳です。3年後に開催されるパリ五輪で、この中の選手がたくさん活躍してくれることを期待しています!