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2月2日(日) 準決勝

前日夜からの冷たい雨も朝のうちにあがり、薄曇りで冷たい北風が吹く大阪鶴見緑地球技場で準決勝2試合が行われた。


  • 第1試合

日本製鉄九州大分リサイクロンズ 38-40(前半19-28)北海道バーバリアンズ  

11:30キックオフ 花博記念公園鶴見緑地球技場(大阪府)

今年は「優勝をめざす」と濱口竜輝主将が試合前に力強く語っていた北海道バーバリアンズ(以下北海道)と初のベスト4進出の日本製鉄九州大分サイクロンズ(以下大分)。試合前は北海道の圧勝かという声も聞かれたが、最後は2点差まで迫る手に汗を握る僅差の好試合となった。

 開始早々、ラックのターンオーバーから連続攻撃、北海道NO8濱口が左中間にトライ。一方的な試合になるのかと予想されたが、その後は両チームがそれぞれの持ち味を発揮してお互いにトライを奪うあうシーソーゲーム。北海道は力強いFWが圧力をかけてトライを奪うと、大分も25分、キックチャージから7番中島昂志のトライや左右にロングパスを回して揺さぶりトライを奪い、一進一退の攻防が続いた。前半終了間際に、北海道10番バディヴァカロロ・アピサイ 拓海のロングキックからゴール前に迫り、そのラインアウトのこぼれ球を12番佐賀湧太郎が押さえてトライ、前半は19対28の北海道リードで終了。

 後半は開始6分、大分がハイタックルによるイエローカードで一人少ない状態で、北海道にゴール前ラインアウトから攻め込まれ6番ライアン・カーリーのトライを許す。北海道はさらに17分トライを重ねて、19対40のリードとなるが、ここから大分が3トライの反撃。スクラムは北海道が圧倒的に優位で、大分は反則を重ねるが(後半だけでペナルティは大分9,北海道1)、ゴール前に迫られても、粘り強いタックルでトライを許さない。アタックに転じると、テンポの良いきれいなパス回しでラインブレイク。21分、35分にトライ。インジュアリータイムには11番柳澤瑠が左タッチライン際を走り抜けてトライ、ゴール成功で38対40。残りワンプレーを北海道が守り切りノーサイド。大分の諦めない健闘が讃えられる試合となった。試合後、大分主将・村上圭汰の「またチャレンジします」と言った笑顔が充実した試合ができた満足を表していて心に残った。


  • 第2試合

千里馬クラブ 41-20(22-8) 宇都宮VOLT'S 

14:00キックオフ 花博記念公園鶴見緑地球技場(大阪府)

どちらも全国大会常連であるが、対戦は初めての2チームである。

前半から、「今年は日本一にこだわる」と主将の南紀成が断言していた千里馬がトライを重ねる。6分、ゴール前でフェーズを重ねて右から左に大きく展開して11番康起等がトライ。1本ずつPGを取り合ったあと、29分13番マノア ・ラトゥが巧みなステップでラインブレイクして中央にトライ。34分にもみごとなオフロードパスをつないで15番南紀成が中央にトライ。フィットネスでは上回りたいと試合前に言っていた通りにトライを奪っていった。宇都宮VOLT’S(以下宇都宮)は前半終了間際ゴール前ラインアウトからモールをつくり、2番植村健太郎がトライ。前半は22対8の千里馬リードで終了。

 後半も最初は千里馬のペース。開始直後にオフロードパスがつながり13番マノア・ラトゥがトライ。11分にも15番南紀成がトライ。しかし宇都宮も意地をみせる。14分きれいなパス回しの後オフロードパスを受けた7番吉田紘平がトライ。36分にもオフロードパスを受けた15番大澤僚也がスピードを見せてトライを奪う。対する千里馬は21分、ラックで相手ボールを奪って大きく左に展開、13番マノア ・ラトゥがこの試合三本目のトライ。後半は19対12、合計41対20で千里馬の勝利となった。

FWの力やお互いのスキルは互角に見えたし、反則数も11対9で変わらなかったが、大きな声をかけあっていた千里馬のディフェンスは意思統一が徹底されている感じがしたし、コンタクト後のドライブにもこだわっているように見えた。宇都宮の主将の細谷太暉は、「相手の縦攻撃の対策もして試合に臨んだのに、一歩及ばなかった」と試合後も悔しさをにじませていたのが印象的であった。