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RWC2007
日本代表イタリア戦キャンプリポート
日本代表は、18日のイタリア代表戦後、トレヴィゾに移動。25日にポルトガル代表とトレーニングマッチを行ない、9月7日のワールドカップ開幕を迎えます。

●8月24日(金) treviso, ITALY

トレビゾで行われている日本代表合宿6日目。ポルトガル代表戦を翌日に控え、日本代表は試合会場であるStadio Comunaleでキャプテンランを行いました。

午前中には、太田GM、カーワンヘッドコーチがポルトガル代表チームとプレマッチミーティングに参加しました。参加した太田GMによるとポルトガル代表のアシスタントコーチは、日本のヤマハ発動機ジュビロやトンガ代表で指導経験があるアダム・リーチ氏だったとのこと。リーチ氏とは、昨年のパシフィック・ファイブ・ネーションズのトンガ戦でも対戦しているだけに不思議な縁を感じます。お互いに健闘を称えあったそうです。

ウォーミングアップ 一昨日合流した青木選手 ストレッチで体を起こす 巧みなステップで相手をかわす今村選手
ウォーミングアップ   一昨日合流した青木選手   ストレッチで体を起こす   巧みなステップで相手をかわす今村選手

試合会場での練習は、16時からスタート。ウォーミングアップで体も気持ちも上げたところでキャプテンランがスタートしました。明日の試合は、大畑キャプテン率いるチームAUSと箕内キャプテン率いるチームFIJIが前後半で入れ替わるため、キャプテンランも交互に実施。それぞれのチームで必要なサインプレーやセットプレーの確認を行いました。どちらのチームも仕上がりは順調。ワールドカップに向けた最後の実戦を待ちわびるような試合前日練習となりました。

練習後は、それぞれのポジションスキルや個人の課題克服のために、各自で練習する選手たちも多く、準備に余念がありません。
25日は、ワールドカップを控えた最後の実戦の機会となります。これまでの成果を結果という形で残し、本大会へ臨みたいと思います。

なお、25日のポルトガル戦は、リハビリ中のオライリー選手と直前に合流した青木選手を除く全員が出場予定です。
日本代表への応援をよろしくお願いいたします。


◎カーワン ヘッドコーチ

「明日の試合は2つのチームで戦います。前半はチームAUS、後半がチームFIJIです。両チームともワールドカップに向けたゲームプランにしっかり取り組んでほしいですし、40分という限られた出場時間となりメンタルな部分では難しいかもしれませんが、きちんとした戦いをしてほしいと思っています。
今までの過程には、非常に満足しています。明日の試合をきちんとマネジメントして最終調整に入りたい」


◎箕内キャプテン

「前回のイタリア戦で課題となった出だしの部分を意識して、はじめからしっかりと戦いたい。40分という限られた時間なので、難しい所もありますが、スキルなどは厳しくいきたいと思います。また、相手のペースになることは避けて、簡単なミスをなくしていきたい。あくまでも我々が戦うのは、オーストラリア・フィジー。ポルトガルのレベルに合わせても意味はない。スコア的な目標はありませんが、自分たちのアタック・ディフェンスをして、相手をゼロに抑えたいと思います。とにかく、40分間、気を抜かずプレーしたいと思っています」

セットプレーからのアタック チームAUSの司令塔SO小野選手 チームFIJIの司令塔SO安藤選手 ポイントから素早くボールを展開
セットプレーからのアタック   チームAUSの司令塔SO小野選手   チームFIJIの司令塔SO安藤選手   ポイントから素早くボールを展開

ボールキャリアーの内側・外側をケア FWのサポートも厚い 完成度の高いラインアウト
ボールキャリアーの内側・外側をケア   FWのサポートも厚い   完成度の高いラインアウト

●8月23日(木) treviso, ITALY

トレビゾで行われている日本代表合宿5日目。本日の活動はなく、オフ。ゆっくりと体を休めました。
中には、プールやジムで体を動かすものや、トレビゾの街を散策したり、ベネチアまで足を伸ばした選手もいたようです。

一日ゆっくりして英気を養った日本代表は、明日試合会場でキャプテンランを実施し、ポルトガル戦に備えます。

●8月22日(水) treviso, ITALY

トレビゾで行われている日本代表合宿4日目。強い日差しが差し込み暖かい一日となりました。
今日の日本代表は、午前中にFW/BKユニットに分かれウエイトトレーニングとグラウンドトレーニングを交互に実施。FWは、スクラムとラインアウト。BKは、スキルトレーニングとラインアタック・ディフェンスを行いました。FWのスクラムでは、すべてのスクラムを100%で組むことに注力して行われました。スクラムマシーンを相手に力強いスクラムが何本も組まれました。
BKは、パンチパスやディシジョンメーキングなどのスキルトレーニングを行った後、2チームに分かれセットピースからのラインアタック・ディフェンスを実施しました。両チームとも意思疎通が図られ、しっかりとしたアタック・ディフェンスとなりました。

強固なバインドで8人一体でヒットする すべてのスクラムを100%で組む ラインアウトのバリエーションも確認 巧みなステップで相手をかわす今村選手
強固なバインドで8人一体でヒットする   すべてのスクラムを100%で組む   ラインアウトのバリエーションも確認   巧みなステップで相手をかわす今村選手

午後は、約1時間のチームトレーニングを実施。ウォーミングアップの後、アップフィールドラックのスキルトレーニングを実施し、我々が目指すスタイルに必要なこのラックのさらなる向上に努めました。
その後は、チームAUS/チームFIJIに分かれ、チームアタック・ディフェンスを実施。ここに来て両チームの完成度が日に日に高まり、チームとしてのまとまりが感じられます。プレーの合間には、自然と円陣ができ、内容をチェックし、チームの改善ポイントを皆で共有しあう場面が多く見られます。さらに、この日も、チームAUSがしっかりとしたディフェンスをすれば、それ以上にチームFIJIが厚みのある攻撃を仕掛けるといったように、2つのチームで競うことによって、お互いの切磋琢磨がチーム全体のレベルアップに繋がっています。

映像でプレーを確認する大畑選手とコーチ陣 午後。ウォーミングアップのキックキャッチ 密集周辺は内側にしっかりと立つ ロアマヌ選手と小野澤選手のマッチアップ
映像でプレーを確認する大畑選手とコーチ陣   午後。ウォーミングアップのキックキャッチ   密集周辺は内側にしっかりと立つ   ロアマヌ選手と小野澤選手のマッチアップ

本大会まで、残りわずかですが、日本代表は日に日に成長しています。今週末のポルトガル代表とのトレーニングマッチでチームとしての戦い方を実戦で試し、来週からはその修正に努めていきます。引き続き、日本代表への応援をよろしくお願いします。

本日のディナーは、チームディナーということで外食となりました。今回は、ベネチアのサン・マルコ広場の近くのレストランをカーワンHCがアレンジ。世界で最も美しい都、水の都といわれるベネチア。入り組んだ水路を水上バスで移動しました。水上から見る夕闇のベネチアの町並みの素晴らしさと、圧倒的な景観を誇るサン・マルコ寺院に一同圧倒されました。ディナーでは、おいしいパスタ・ピザ・シーフードなどを堪能しました。終始、笑いの絶えない和やかな雰囲気のディナーとなり、チームの一体感を高めることができました。
明日は、チームの活動はオフ。ポルトガル戦に向け、しっかりと体を休めます。

スペースに走りこみチャンスをつくるSO小野選手 ボールキャリアーに素早くサポート 水上バスで移動中、その1 水上バスで移動中、その2
スペースに走りこみチャンスをつくるSO小野選手   ボールキャリアーに素早くサポート   水上バスで移動中、その1   水上バスで移動中、その2

水の都ベネチア サンマルコ広場を抜けてレストランへ
水の都ベネチア   サンマルコ広場を抜けてレストランへ

●8月21日(火) treviso, ITALY

トレビゾで行われている日本代表合宿3日目。今日のトレビゾは、昨日とうって変わって朝から晴天に恵まれ、汗ばむくらいの陽気。日本代表は、午前中にグラウンドで2時間みっちりとトレーニングを行い、午後をオフとしました。

午前中のトレーニングは、まずウォーミングアップでラダーを使い筋温を上げ、その後、マーティン・ヒューメコンサルタントのもと、スピードトレーニングを実施しました。このスピードトレーニングでは、ランニングフォームを意識し、しっかり腕を振ることが意識付けられています。

前に倒れこみながら走り出しを意識 腕をしっかり振り、フォームを整える 4対3のAT/DF 厳しいフィットネストレーニング
前に倒れこみながら走り出しを意識   腕をしっかり振り、フォームを整える   4対3のAT/DF   厳しいフィットネストレーニング

その後は、ラグビーファティーグを行いました。これは、これまで日本代表が幾度となく行ってきたトレーニングですが、フィットネストレーニングとラグビートレーニングを交互に実施するというものです。疲労というプレッシャーが与えられた状況で、より正確なプレーを目指します。今日は、シャトルラン等のフィットネス6回と、ユニットスキルを2回、チームアタック・ディフェンスを4回行いました。

フィットネスでは、お互いを助け合い、チーム全員が厳しい状況を盛り上げました。すべての局面で自分の持っている力を全力で出し切りました。今日の内容は、太田正則フィットネスコーチによれば、これまでの記録より早かったようです。選手たちの意識の高さとチームとしての一体感が高まってきた証拠だといえます。

ラインアウトも正確、かつ確実に ラックからの素早い球出しを意識する 密集周辺のディフェンスは的確にノミネート ボールキャリアーへのサポートが攻撃のテンポを生む
ラインアウトも正確、かつ確実に   ラックからの素早い球出しを意識する   密集周辺のディフェンスは的確にノミネート   ボールキャリアーへのサポートが攻撃のテンポを生む

2度のユニットスキルでは、FWはラインアウト、BKはラインアタックを実施。両ユニットとも、状況を見る判断力やパスやスローイングの正確性が問われる内容でしたが、一人一人が自分たちのやるべきことを遂行し、目指すレベルのトレーニングができました。

チームアタック・ディフェンスでは、チームAUS、チームFIJI共に自分たちの良さを存分に発揮し、肉体的に厳しい状況でも激しいプレーが随所に見られました。
内容の濃いトレーニングとなりましたが、選手たちは、高い集中力を持って100%で取り組みました。

午後のチームの活動はオフ。イタリア戦のBKはコーチングスタッフとのミーティングを行いました。
明日は、午前をユニット別のトレーニングを行い、午後はグラウンドでトレーニングを行います。

激しいディフェンスで相手の攻撃を寸断 十分な水分補給を行う ディフェンスのギャップをついて前に出る
激しいディフェンスで相手の攻撃を寸断   十分な水分補給を行う   ディフェンスのギャップをついて前に出る

●8月20日(月) treviso, ITALY

トレビゾで行われている日本代表合宿2日目。本日のトレビゾは、早朝から激しい雷雨に見舞われました。すぐに雨は止みましたが、時折強い風が吹く、肌寒い一日となりました。

午前中は、移動の疲れを取るために休養にあて、ゆっくりと体を休めました。一部の選手は、コーチングスタッフとの1オン1ミーティングを行いました。

午後のトレーニング前には、イタリア戦のレビューを実施。イタリア戦で出た課題を改めて確認し、今日からのトレーニングに備えました。また、毎試合MVPに贈られるスーパーマンキャップは、大西将太郎選手に贈呈されました。

トレビゾ最初のトレーニングは、FW・BKユニットに分かれ、ウエイトトレーニングとグラウンドでのトレーニングを交互に実施しました。FWは、スクラムとラインアウトのセットプレーを中心に約1時間汗を流しました。特にラインアウトからのモールは重点的に組まれ、イタリア戦でトライを奪ったラインアウトからのモールにさらに磨きをかけました。カーワンヘッドコーチも、「モールでトライを取れたことは選手たちにとって自信になったはず、我々はできると信じることが大切」とモールが日本代表の大きな武器になると語りました。

BKは、ウォーミングアップでラグビーボールを使ったサッカーゲームを行い、体を温め、パンチパススキルのトレーニングを経て、2チームに分かれラインAT/DFを実施しました。アタックに関しては、アングル、スペース、パスの精度がキーポイントとなります。相手に対し、しっかりと仕掛け、DFラインを崩していくことで大きなチャンスが生まれます。逆にディフェンスは、ポジショニング、ラインの押し上げなどに注意し、自分が見る相手をノミネートし、コミュニケーションを取りながら厚みあるディフェンスを目指しました。先日のイタリア戦では、しっかりとしたディフェンスで相手の攻撃の芽を摘みディフェンスからチャンスが生まれました。今後さらに精度を上げ、世界で一番早いディフェンスラインの押し上げを目指していきます。

21日は、午前中にトレーニングを行い、午後はオフとなります。

モールにさらなる磨きをかける
モールにさらなる磨きをかける

ラインアウトを再確認
ラインアウトを再確認

●8月19日(日) treviso, ITALY

前日にイタリア戦を終えた日本代表は、本日、トレビゾに移動しました。

18日のイタリア戦は、前半20分までの得点が響き、36対12というスコアで敗れはしましたが、チームにとっては、ワールドカップに向けて課題が明確になった非常にポジティブな敗戦でした。ワールドカップまでにこの課題を必ず克服して、本大会を迎えたいと思います。

試合後は、会場近くのホテルで着席ディナースタイルの本格的なアフターマッチファンクションが行われ、両チームの全選手・スタッフ、スポンサー各社が一同に介し、お互いの健闘を称えあい、試合の成功を祝いました。
約3時間の会でしたが、素晴らしいアフターマッチファンクションとなりました。

そして、今日チームは、出発前に宿舎ホテルのプールでしっかりとプールリカバリーを行い、試合の疲れを取り除きました。その後、一週間お世話になったホテルの皆さんに別れを告げ、陸路でトレビゾを目指しました。途中、レストランで昼食をとり、ホテルに着いたのは、18時過ぎ。約8時間の移動となりました。

20日からチームは、トレビゾでトレーニングを開始します。

滞在中リエゾンとして身の回りの世話をしてくれたルカ(左)、クリス(中)。右はクリスの奥さん
滞在中リエゾンとして身の回りの世話をしてくれたルカ(左)、クリス(中)。右はクリスの奥さん

和やかな雰囲気でアフターマッチ・ファンクションが行われた
和やかな雰囲気でアフターマッチ・ファンクションが行われた