2007 IRBパシフィック・ネーションズカップ TOSHIBAジャパンラウンドのため、いよいよサモア代表が来日しました。サモア代表ヘッドコーチは、元オールブラックスでジョン・カーワン日本代表ヘッドコーチとは親友でもあるマイケル・ジョーンズ氏。マイケル・ジョーンズヘッドコーチに、JKのこと、日本代表のことなど、インタビューしました。

  サモア代表ヘッドコーチ、マイケル・ジョーンズ氏
 
サモア代表ヘッドコーチ、マイケル・ジョーンズ氏

ジョン・カーワンは私の人生にとって特別な存在です。1987年、私がまだ22歳の時、偉大なるジョン・カーワンは既に"伝説の人"でした。私はジョンの友人でいられることを光栄に思っています。彼は、以前からいつもポリネシア系出身者たちとも友好関係が深く、私たちポリネシア系の人間の気持ちが良く理解できるんです。

ジョンは、以前からよく若いポリネシアの仲間たちの面倒を見てきました。私に対しても、自分のことを後回しにしてまで引き立ててくれました。たとえば、試合中に、私が絶好のポジションに立っていると、そこにいいタイミングでインサイドパスを送ってくれたものです。そこまでのお膳立ては全部自分がしているのに。

その後、しばらくはお互いの活躍の舞台が距離的に離れてしまいましたが、それでも私たちは、良き友達であり、兄弟であり続け、再会するときには以前のままの温かい関係を続けることができました。このたび、久しぶりに仙台で再会するときには、兄弟として"ビッグ・ハグ"をしたいですね。

最近の日本代表のプレーに注目しています。JKの力で、クラシック・オールブラックスを日本に呼んできたことには、本当に驚きました。たぶん、私も膝を痛めてなかったらチームに呼ばれていたのになと思いましたが、こんなことを言ったらJKが笑うでしょうけどね。

ジョン・カーワンは、論理的にものを考える戦略家です。そのことに本当に気がつくまでにはちょっと時間がかかるかもしれませんが、ジョンは、若いうちから常に優れた戦略家で、周りのみんなからも尊敬されていました。

サモア代表ヘッドコーチ、マイケル・ジョーンズ氏  
ジョン・カーワンヘッドコーチとは旧知の仲
 

昨年の日本代表戦では、チームが調子をあげるまでにまるまる前半かかってしまいました。今年は、80分間全部必要かもしれません。事前の評判や評価に関係なく、サモアのプライドを持って全力で戦うつもりです。

実際、日本代表は急速に強くなっています。まだ若いチームですし、動きもスピーディー、よく訓練された規律あるチームです。昨年のチームとは違ったチームだと認識しています。JKが日本代表をこれまでとは異なるレベルに引き上げたのだと思います。仙台では、どんな方法で私たちを驚かせるつもりなんでしょうか。

プライドをかけて、体を張ったフィジカルなプレーをお見せするつもりです。サモア人の生まれ持った強みを活用するということです。でも、ジョン・カーワン率いる日本代表にはそれだけでそれだけでは不十分でしょう。頭を使ったプレーも必要です。

私は2004年からサモア代表の監督をしています。私自身がサモア出身ということから、サモアのプライドにかけ、こうして代表チームに関わることができることに喜びを感じています。サモアにはそれほど豊富な人材があるわけではありません。サモアのラグビープレーヤーはお金のためにプレーするのではなく、自分の家族のため、祖国のため、そして祖父母のためにプレーするのです。こういうことがサモア人には大切なんです。サモアの人口はわずかに16万人です。ニュージーランドに住んでいるサモア人も100人くらいでしょうか。ジョン・カーワンも私も、共にオールブラックスであったということから、共通の考え方も多いですが、大切なことは私たちがずっと友達であり続けるということです。日本代表戦は勝ちにいきます。そして結果はどうであれ、日本もサモアも仙台でのテストマッチからさらなる成長を狙っていきたいです。