デフ(聴覚障害者)ラグビーチーム「クワイエット・タイフーン(Quiet Typhoon)」の合宿が、7月16~18日、長野・菅平の文部科学省高原体育研究場等で行われた。

今回は、8月後半に行われるイングランド及びウェールズ遠征へ向けての最終確認がテーマで、個人フィットネス、PKのパターン確認から、遠征期間中の心掛けまで、心身に渡って可能な限りのチェックが行われた。最も重点的に確認されたのは、2002年世界大会以降継続して強化してきた"チームDF"。聞こえないことから来るコミュニケーション不足で難しい"チームとしての動き"を、いかに実行するか、繰り返し確認。

もう一つの課題であるスクラムも"マイボールを確実に取ること"を目標に、組み方の確認など、基本ポイントをおさらい。これらを "東信クラブ" "長野ラガーズ" "全長野" 各チームの協力を得て、ある程度納得のいくレベルまで高めることができた。17日に行われたAD練習では、時に切れのあるカウンターアタックも見られ、活躍が期待されるところである。

今合宿中、主将に柴谷 晋、副将に原重秀則を選出。前回主将だった落合孝幸は、団長を兼務することが決まった。

予定されていた世界大会の中止や、ロンドンで起きたテロ事件など、多くの障害に翻弄されながらも、ようやく実現する運びとなった遠征。完璧な準備ができたわけではないが、日本のデフラグビーの力を、世界に問うきっかけづくりはできた。今ある力をすべて出し切れるよう、出発までのわずかな時間だが、個々人の調整に期待したい。