試合後、整列するジュニア・ジャパン。トンガAに24-60での大敗もアタックには手応えを感じる内容だった
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前半終了間際にトライを奪うSO野口。終始積極的に仕掛けて日本のチャンスをつくり続けるなど成長した姿を見せた photo by RJP Kenji Demura
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「なるべく全員をいろんな場面で出して、誰が戦えるか、タフネスがあるかどうかを一番見たい」(中竹竜二ヘッドコーチ)
6月にイタリアで予定されている「ワールドラグビーU20チャンピオンシップ」に向けたセレクションという側面があるため、2戦目までに合流が遅れたCTBアタアタ・モエアキオラを除くツアーメンバー全員が何らかのかたちでプレー。
第3戦となるトンガA戦も「プレー時間の少ない選手にもチャンスを与えるようにした」(同HC)というメンバー構成での試合となった。
確かに、エイジグレードに縛られない準代表チームに大敗が続いていたジュニア・ジャパンだが、フィジーウォリアーズ戦では後半30分間以上、相手に得点を許さないなど、個々としてもチームとしても手応えを感じるパフォーマンスも見せていた。
「デカい相手に対して最後のショートステップで仕留め切って、オフロードをセカンドプレーヤーが止めるのが課題」(FB尾崎達洋、崎は正しくは「山」へんに「竒」)
そんな具体的な課題も持ちながら臨んだトンガA戦。
前半は課題のディフェンスで粘れず、トンガAのパワフルなランニングを止められずに、インサイドブレイクから一気にトライまで持っていかれるかたちでリードされた(トンガAのトライは1分、12分、25分、33分)。
ただ、前半の時間帯はほとんどアタックする機会のなかったフィジーW戦に比べて、立ち上がりからジュニア・ジャパンにも多くのチャンスがあったのは事実。
FWがラインアウトから「自信を持っている」(遠藤哲FWコーチ)モールで攻めてトライを狙うが、肝心のラインアウトが安定せず、なかなかトライに結びつかない。
「ラインアウトに関してはU20では大学と違うスキルを取り入れているが、疲れた時にその精度が落ちた」(NO8前田剛ゲームキャプテン)
その一方でセットプレーでもスクラムは、時間の経過とともに日本の優勢が明らかになっていった。
前半42分に生まれた日本の初トライも起点は相手ゴール前でスクラムこだわったFW陣の頑張りから生まれた。
スクラムでプレッシャーをかけた後、フィジーW戦での途中出場からどんどん自分で仕掛けてゲインできるようになっていたSO野口竜司が相手ディフェンスのギャップを突いて、トンガディフェンスを引きずりながらトライ。
「アタックで軸になる部分をつくりたい。ジャパンがやりたい、順目に走り勝つランニングという部分で体言化されたアタックを成功させたい」
試合前、中竹HCはこの試合でのアタックに関するポイントを語っていたが、前半終了間際トライを取り切ってみせたことで、後半は随所にジャパンらしいアタックが見られるようになった。
途中出場ながら2トライを記録したCTBモエアキオラ。圧倒的なフィジカル面での強さはU20代表の武器になりそうだ photo by RJP Kenji Demura
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FWにケガ人が出ていることもあって3試合連続でフル出場のLO/FL加藤。FWの核となっている photo by RJP Kenji Demura
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「ひとり目が下、ふたり目が上に入ればトンガは止まる」(NO8前田)
後半15 分には今度はスクラムでPKを得た後の速攻から、途中出場していたCTBアタアタ・モエアキオラがトンガゴールに飛び込んだ。
モエアキオラは前に出る強さを見せて、29分にも2トライ目。
さらに試合終了間際の後半40分にもモエアキオラの突破から右サイドを攻めて途中出場のWTB井関信介が走り切って、後半だけで3トライ。
「アタックで軸になる部分をつくりたい」という部分では第2戦のフィジーW戦で無得点だったのがすべてBK陣による4トライを挙げるなど、収穫の多い試合ともなった。
前述のSO野口など、フィジーに来てから「どんどん伸びている」(中竹HC)選手が出てきているのも事実。
もちろん、敵陣深くまで攻め込みながら、ターンオーバーされた後、一気にトンガA にトライまで持っていかれるなど、計10回ジャパンゴールを明け渡したディフェンス面など課題が多いのも事実。
その一方で大敗の中にも大きな手応えをつかんでいる20歳以下の選手たちによるジュニア・ジャパン。
23日に予定されている最終順位決定戦では、再びトンガAと対戦することが決まっている。
「ひとり目が下に入って、2人目が上に入るというジャパンスタイルを貫いたら、トンガも止まる。あとは、アタックの軸の部分、順目で走り勝つ部分で頑張りたい」(NO8前田ゲームキャプテン)
6月のU20チャンピオンシップに向けてWRPC最終戦でいいかたちのパフォーマンスを見せて、フィジーでの有終の美を飾ってもらいたい。
23日の最終順位決定戦では再びトンガAと対戦。「アタックの時間を多くしたい」(中竹HC)と思惑どおりの展開に持ち込めるか photo by RJP Kenji Demura
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