第21回全国クラブ大会の決勝は初めて大阪・花園ラグビー場で開催された。
昨年の決勝で0-49と屈した六甲クラブを準決勝で破り、6回目の決勝進出の北海道バーバリアンズ(以下北海道)と、準決勝で関東1位の神奈川タマリバクラブを破り、初めての決勝進出を果たした名古屋ラグビークラブ・クラスクラシコ(以下名古屋)が対戦。いずれも勝てば初優勝というクラブラグビーの歴史に新しい一歩を刻む戦いとなった。

先制したのは名古屋。1分名古屋のパスミスで北海道のディフェンスに穴ができその間隙をついて右WTB大内が抜け、最後はFB木村につないで左隅にトライ。名古屋は準決勝の勢いをそのまま持ち込んだようなバックス展開で上々の立ち上がり。
準決勝で六甲クラブに先制を許した北海道。決勝でも同じくまずい立ち上がりとなったが、大型FWを前面にじわりと反撃を開始。前半12分名古屋陣ゴール前のラインアウトからモールドライブ、最後はFL橋本が抑えトライ。左WTB滝内のゴールも決まり7-5と逆転。31分には名古屋陣ゴール前の名古屋ボールスクラムを奪いNO8馬渕がトライ。35分には左LO奥村が抜け出し右LOウォータースにつなぎトライ、21-5と北海道がリード広げて前半終了。

後半はFW戦で優位に立つ北海道が先手を取る。5分に名古屋陣ゴール前スクラムで得たペナルティからNO8馬渕がトライ。
一方、名古屋クラブも数少ないチャンスを生かす。北海道陣でのスクラムからプレッシャーを受けながらもBKに展開、FB木村が抜け出し右WTB大内が右隅にトライ。
試合の最終局面となった21分、北海道は名古屋陣ゴール前のスクラムからラックを連取、最後は馬渕がこの日3本目のトライを奪うと33分には左CTBロテのロングゲインからSO君嶋がトライ38-12と大きく初優勝に前進。ラストワンプレーとなった45分に名古屋が自陣から展開、左LO家長が抜け右LO青木につなぎトライ。ゴールも決まり19-38と追い上げるがここでノーサイド。北海道が圧倒的なFWを活かし初優勝を遂げた。

マンオブザマッチは、北海道は強力FWの中心となりスクラム、ラインアウトをコントロールしたフッカー岡田が、3トライをあげたNO8馬渕を抑え選ばれた。名古屋からは北海道FWの圧力を受けながら素早い球捌きで3つのトライを演出したSHの後藤が選出された。

全国のクラブトップチームが真剣勝負で覇を競う本大会は、今後も日本ラグビーの底辺からの競技力向上に寄与するであろう。