マッチリポート 「第20回 全国クラブラグビーフットボール大会」
神奈川タマリバクラブ 35-38 名古屋ラグビークラブ・クラスクラシコ

【準決勝 2014年2月23日(日) /熊谷スポーツ文化公園(県営熊谷ラグビー場)】

3年ぶり8度目の優勝を目指すタマリバに、2年前に同じく準決勝で完封負けするなど、過去2敗の名古屋クラブが雪辱を果たした。

試合は、激しいタックルの応酬からスタートした。名古屋クラブは敵陣でプレーを続けるものの、タマリバの激しいディフェンスにミスやペナルティを犯す。タマリバはそこから早い展開でゲインを重ねゴールラインに迫るも、名古屋クラブも執念のタックルでトライを許さない。そうした一進一退の状況が続く中、均衡が崩れたのは前半18分。敵陣で得たペナルティから、名古屋クラブSH後藤がPGを決め先制。その後、両チームともトライを1本ずつ取り、7-8と名古屋クラブが1点リードで前半終了。

後半は一転、点の取り合いとなった。まず主導権を握ったのは名古屋クラブ。開始早々、FB木村がディフェンスをかわすとそのまま40mほど大きなスワーブでビッグゲインすると、最後はWTB大内が右隅にノーホイッスルトライ。そして49分にもCTB遠藤→FB木村のトライ。名古屋クラブはさらに、タマリバが自陣でペナルティを犯せば40mほどの距離からでもSH後藤が落ち着いてPGを決めるプランを繰り返し、反則に対するプレッシャーを与えながらゲームを運ぶ。そして65分には14-31と、この試合最大となる17点差のリードを奪うことに成功。
しかし、過去7度の優勝経験を持つ全国屈指のチームの底力はここからだった。タマリバは今季「武器」としているモールで名古屋クラブのディフェンスを粉砕。68分からの約10分間に3本ものトライをモールで奪われ、スコアは35-38と3点差にまで迫られた。
そして試合終了直前。両チームの執念がぶつかり合う中、名古屋クラブは中央付近で痛恨のペナルティ。試合を決めるこの局面で、トライ数で上回るタマリバが選択した約40mのPGは、わずかにポールを左に逸れ、試合終了。名古屋クラブの勝利となった。

試合後、名古屋クラブの家長キャプテンとタマリバの西田キャプテンはともに「気持ちの差」が試合を決めたと話した。おそらく、その差はチャレンジャーとしての貪欲な執念が生んだものだろう。
名古屋クラブは、チーム初となる決勝の舞台で、この試合で得た経験と、この「気持ち」を持って全力で日本一を狙う。
最後に、会場周辺には深々とした雪が残る中、最高の状態のグラウンド環境を整えて頂いた方々を始め、試合を支えて下さった全ての関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。