1. はじめに

(財)日本ラグビーフットボール協会では13才から15才の中学生プレーヤー諸君に採用している「U15ジュニアラグビー競技規則」(以下「U15Jr.ラグビー競技規則」という。)を一部改訂いたしますのでお知らせいたします。皆様にはご一読の上、ご対応いただきたくお願い申し上げます。
同改訂は平成19年度版・ラグビーフットボール競技規則(平成19年9月から)から施行することといたします。

「改訂の背景・趣旨」
平成18年度のジュニアラグビー競技規則の改訂に際してご案内したとおり日本ラグビーフットボール協会では13才〜15才という発育・成長期のラグビープレーヤーにとって最良であり、且つ、競技の円滑な実施と、より公平な運営を推進することを目指して、同競技規則を継続的に検証・検討する方針を打ち出しました。
この方針に従い、当普及育成委員会では、より良い競技規則の実現を目指して規則の検証、見直し、表現、解釈、及び運用に関して多くの方々の声を伺いながら協議・検討を重ねた結果、平成19年度については下記事項について改定することとした次第です。

2. 平成19年度・U15ジュニアラグビー競技規則
「変更箇所」

「基本原則」 ( 文章を一部改定 
15才以下(13才〜15才)の中学生の試合に適用するジュニアラグビーの競技規則は、インターナショナルラグビーボード(IRB)が定める競技規則に準拠する。特に19才未満プレーヤーのための標準競技規則、及び日本ラグビーフットボール協会の定める高専、高校以下のための日本国内特別競技規則に関してはその趣旨を充分に認識し準拠するものとする。その中で13才〜15才に適用する独自の競技規則については以下の通り規定する。
【補足説明】
ラグビーフットボールはインターナショナルラグビーボード(IRB) が定めたラグビー憲章に基づく競技規則に準拠することとなっています。
しかし、昨年まではIRBに代わって日本ラグビーフットボール協会が日本版として当該競技規則を作成、発行していたことから「本文中の文章は日本ラグビーフットボール協会が定めた・・・・・・」という表現となっていました。
本年度からはIRB自らが本競技規則の日本語版を作成することになり、本来あるべき表現である「インターナショナルラグビーボードが定める・・・・・」に変更するものです。
第3条プレーヤーの人数( 改 定 
1.登録プレーヤー・リザーブ登録・交替 (改定)
チームのメンバー登録は22名とし、ハーフタイムに少なくとも4名の交替を行うことを原則とする。その他、試合途中において登録されたリザーブプレーヤー全員の交代を認める。リザーブの登録は必ずフロントローのプレーヤーを含めることとする。
注意事項
(i) 登録プレーヤー数と最低交替人数の特例措置 (改定)
但し、チームのメンバーが22名に満たない場合は、プレーヤーの安全確保を優先の上、その現状を考慮し主催する三地域協会の決定、或いは三地域協会の事前の承認の基、主催者が別途登録人数、交替人数を規定することができる。
(ii) 年代別(エージ制)・体重制などの導入 (改定)
各三地域協会は、主催ゲームに関してプレーヤーの安全を考慮した年代別(エージ制)、体重制を導入することができる。なお、その他の試合・大会においては、三地域協会の事前承認の基、主催者が定めるか、或いは当事者間で話し合い、別途定めることができる。
【補足説明】
同条文では「“前後半で”少なくとも4名の交替を行う」という記載となっていますが、実際には、前半の最初、又は後半の最後の1分に選手を交替するという事例が散見され、選手の育成、教育的な見地、及び指導上、好ましいこととは言えないことから上記・ハーフタイムにという記載に改訂いたします。但し、この規定は一方では選手の出場機会を減少させる結果にも繋がることから、選手の出場機会を増やすという配慮から、ハーフタイム時の4名の交替に加えて試合途中における交替を認めることといたします。また、注意事項(i)、(ii)については、三地域協会の決定、事前承認を明確化することとし、安全管理を徹底いたします。
第4条 プレーヤーの服装 ( 新 設 )
1.マウスガードの装着 「安全対策・指導措置」
原則としてプレーヤーはマウスガードを装着するよう努める。(当面の間、各協会及び指導者は、プレーヤーがマウスガードを装着するよう指導する。)
2.着用を自粛するもの 「指導措置」
ヘッドキャップのサイズを調節する後頭部のヒモなどの付属品はヘッドキャップ本体と同色、同系色又は黒などとし、華美にすることはできない。
【補足説明】
1. 近い将来の義務化を前提にしてプレーヤーがマウスガードを装着するよう指導することといたします。義務化については各協会の準備が整ったことが確認できた時点で実施する予定です。
2. ヘッドキャップの後頭部の紐などをピンクやその他の蛍光色にし、過度に華美にする事例があるため指導措置としてお願いするものです。
第7条 タッチライン及びラインアウト ( 新 設 )
2. ラインアウトにおける制限 ペナルティキック
(a)の文章の最後に追加 → また、サポートするプレーヤーは2名とする。
【補足説明】
2名でのサポート以外のサポート行為は具体的にはあまり現実的なことではないものの、質問事項として問い合わせがあったため、記載文章に追加し、安全な運用の徹底を図るものです。
(c)ラインアウトの外からのサポート 「指導措置」
ボールを投入するプレーヤー(スローワー)の相手側(ディフェンス側)のプレーヤーが、タッチラインと5メートルラインの間( ラインアウトの外側)からラインアウトに並んでいる味方のプレーヤー(ラインアウトプレーヤー)をサポートすることはできない。
【補足説明】
原則としてU15Jr.ラグビー競技規則に記載されていないプレーについては、IRBが定める競技規則に準拠しているのはご存知の通りですが、当該行為につきましてはプレーヤーの練習時間と基本技術の相関、及びプレーヤーの安全確保など、U15時期のラグビー競技として相応しいか否かに関して検討中です。この為、平成19年度は当該事項について自粛することといたします。
第20条 スクラム ( 新 設 )
6.スクラムの終了 ペナルティキック
スクラムの最後尾のプレーヤーが、その足もとにボールがある状態で、バインドをはずしボールを拾い上げることによってスクラムを終了することはできない。
(a)故意のプレーの禁止 ペナルティキック
故意にスクラムの中にあるボールをプレーヤーが足で最後尾のプレーヤーの横のスクラム外にボールを出すことによって、スクラムを終了させ、最後尾のプレーヤーがボールを拾い上げることはできない。
故意に最後尾のプレーヤーがボールをスクラム外に出すことによってスクラムを終了させ、自ら、或いは隣にいるもう一人の最後尾のプレーヤーがボールを拾い上げることはできない。
(b)スクラム終了後の最後尾のプレーヤーのプレー
但し、故意ではなく、スクラムのトンネル以外からボールがスクラム外に出たことによってスクラムが終了し、その後に最後尾のプレーヤーが最初にボールを拾い上げることはできる。
注)尚、従来の「6.ノンコンテストスクラムの適用」項目は7.に変更します。
【補足説明】
15人制ラグビーの競技規則 第20条第10項スクラムの終了 (c)では、スクラムの最後尾のプレーヤーがボールを持ち出すプレーが可能となっています。但し、8人でスクラムを形成する15人制ラグビーでは一般には3列目のプレーヤーが最後尾のプレーヤーとなります。一方、ジュニアラグビーでは最後尾のプレーヤーは2列であるロックということになります。ロックは15人制では、最後尾のプレーヤーにはなり得ません。この為、ジュニアラグビー競技では、安定したスクラムの形成とプレーヤーの安全を確保することを重視し、これを行わないことといたします。

3. 施行・試行時期、その他
本12人制ジュニアラグビーの競技規則は8月に発行する平成19度ラグビーフットボール競技規則(同競技規則は平成19年9月1付け施行)にて改訂し施行する。

(2007.8.20)