この日は全国クラブ大会2回戦。REDWING(東海北陸ブロック)を56-5の完勝で勝ち上がった駒場WMM(首都圏ブロック)と、九州チャンピオンでシード2回戦から登場の玄海TANGAROA RUGBY(九州北ブロック)のゲームだった。
1週間前から、試合当日は何十年に一度の大寒波到来で、沖縄でも30数年ぶりの雪かもとささやかれていたが、朝8時から雪がちらつき、あっという間に辺り一面は銀世界と化した。当然、会場であるレベルファイブスタジアムもグランドが雪で覆われ、開催が危ぶまれるかに思われた。しかし、関東から来た駒場WMMのためにもと、福岡県クラブ連盟所属チームで雪の中の会場設営や雪かきを行い、マッチオフィシャル、マッチコミッショナーも安全を確認した上で、開催に漕ぎ着けることができた。

ゲームはグラウンドの悪コンディションもあり、キックで陣地を取り合う手堅いゲーム運びとなった。
玄海TANGAROAのキックに駒場WMMのノックオン。玄海TANGAROAはゴール前までボールを運ぶが、駒場WMMの鋭いタックルと諦めないラックへの仕掛けもあり、玄海TANGAROAがミスをする。
逆に駒場WMMがゴール前にボールを運べば、重量感のある玄海TANGAROAのFWがスクラムでプレッシャーをかけ、ターンオーバーとなるなど、前半は一進一退の攻防となった。
しかしその前半で、玄海TANGAROAが不行跡でシンビン。一人少ない玄海TANGAROAに駒場WMMが襲いかかり、ゴール前まで幾度も攻め込む。しかしゴールが遠い。
前半終了間際、ゴール前モールで押し込みあとわずかまで迫るが、玄海TANGAROAが粘りモールパイルアップで前半終了が終了した。

後半に入るも、やはりキック中心の戦い。
後半5分、玄海TANGAROAがキック処理のミスをおかし、駒場WMMがボールを敵陣で獲得。崩れたディフェンスを突き3番・磯部が30mを走り切り初トライ。
その5分後も玄海TANAGAROAのキック処理のミスにたたみかけ、たまらず玄海TANGAROAがハンドの反則。駒場WMM はPGを決め8-0となる。
得点が欲しい玄海TANGAROAはボールキャリアが縦に出るようになり、14番・榎木の縦突破により敵陣ゴール前へ。再三、駒場WMMのタックルやラックへの執拗なプレッシャーに苦しめられたが、一瞬空いたラックサイドを9番・小柳が飛び込みトライを返す。
23分は、キックでチームを前に出していた玄海TANGAROAの10番・堀田が、空いた左サイドを見逃さずキックパス。そこに待っていた途中出場の23番・渡邊にすっぽり入る。前には誰もおらず50mを独走のトライ。15-8と逆転した。
キックパスは華麗に見えるが、一方ではギャンブルでもありピンチを招く。28分その玄海TANGAROAの10番・堀田の2度目のキックパスはミス。そのキックは駒場WMMに渡り、大きく押し込まれる。ゴール前必死のディフェンスを行うが、最後は駒場WMMの途中出場20番・高木が押込み逆転のトライを決める。
1点差のまま30分を過ぎ、ここから死闘が始まる。キックをやめた両チーム、雪もまた激しくなり、BK展開はミスの可能性が高く近場での勝負に徹する。FWの肉弾戦は、これぞ"RUGBY"でありお互いの勝負にかける気持ちのぶつかり合いであった。
ロスタイムに入り、玄海TANGAROAが20を超えるフェーズプレーでゴール前へ。ゴール前でのFWの死闘の最後は、駒場WMMのオーバーザトップの反則。玄海TANGAROAの14番・榎木の逆転PGでノーサイドとなった。

天候が違えばまた違った展開になったかもしれないが、これも"RUGBY"。最後まで諦めない両チームの戦いには敬服したい。
最後に、両チームはもちろんだがこのゲームを最後まで成立して下さったマッチオフィシャル、設営、運営を行った福岡県クラブ連盟各チームに感謝申し上げたい。

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