北海道バーバリアンズラグビーフットボールクラブ 59-5 名古屋ラグビークラブ 【準決勝/2011年1月9日(日) at 埼玉・熊谷スポーツ文化公園(県営熊谷ラグビー場)】 第18回全国クラブラグビーフットボール大会準決勝第1試合は、東日本を制した北海道バーバリアンズ(以下、北海道)と、1回戦で龍ヶ崎ドラゴンズを下し、波に乗る名古屋クラブ(以下、名古屋)との初対決となった。 前半、風上かつ太陽を背にした北海道はSO鈴木貴博、FB笹田の効果的なキックを武器に名古屋陣深く攻め込み、大型FWを前面に押し出してゲームを支配。前半8分ラックからSO鈴木貴博がわずかに空いた名古屋DFラインのギャップを突きトライ。FB笹田幸介のゴールも決まり、7-0と先制。 15分にはキックの応酬から北海道がカウンターアタック、8次攻撃まで耐えた名古屋だったが、最後は北海道NO8シオサイア・フィフィタがトライ。29分には名古屋陣22MのLOから北海道がモールを押し込み、左PRスティーブン・マンガンのトライ、37分には再びNO8シオサイアがスクラムサイドを突きトライ、北海道がリードを24-0と広げた。 一方の名古屋は、前半終了間際の40分、名古屋ボールキックオフからのラックを展開、右CTB遠藤隆明が大きくゲイン。ゴール前でペナルティを得ると、素早いタップからラックを形成、SO三原大輔が蹴ったインゴールへの絶妙のゴロパントを、FB中山貴史が抑えトライ、24-5とした。 後半は風上に立った名古屋がキックを主体に攻めるが、北海道のカウンターアタックでなかなかペースをつかめず、自陣を抜け出せない展開が続いた。後半6分には北海道が名古屋陣ゴール前スクラムからNO8シオサイアのトライ。この後SO鈴木貴博の2つ目のトライ、両FLマテアキ・カフトル、橋本俊市がトライ、最後は途中出場の右WTB平山智健のトライとFW・BK一体となった攻撃で5T5Gの35点を挙げ試合を終了した。 結果的には一方的な試合となったが、大型FWとインパクトのあるBKを有する北海道に対し、名古屋は試合を通して体を張ったDFを続けた。 名古屋のDFは個々のタックルも強く、組織的に整備されたものであったが、北海道がサイズと筋力の強さで、名古屋の堅い扉をこじ開けていった。 北海道のFWはこの日シーズン3度目となるMVPを獲得した左LOベンジャミン・ウォータースを筆頭に各ポジションの選手が今シーズン最高のプレーで名古屋を圧倒、特に24歳の若さで北海道を率いる主将、右FL橋本俊市の攻守にわたる低く、スピィーディーなプレーが光った。BKもハーフ団がFW、BKを織り交ぜた攻撃をリードすると、ロングキッカーのFB笹田幸介、左WTBツイアラ・トクマがそのキックでエリアをコントロール。時折見せるカウンターアタックで名古屋を自陣に封じ込めた。 名古屋はスピードのあるFW3列、BKを持ちながら、キッキングゲームや接点での劣勢を挽回できず、終盤に北海道がペナルティを連発したチャンスにもトライに至らず、後半は無得点に終わった。 MVPには北海道左LOベンジャミン・ウォータース、名古屋右CTB遠藤隆明の両選手が選ばれた。