スケジュール

メンバー

遠征直前合宿レポート

3月28日

第43期高校日本代表のゴールは、“Beat Ireland”(U19アイルランド代表とのテストマッチに勝利する)ことでした。ワールドラグビーによる世界ランキングでは、現在アイルランドはニュージーランドに次いで2位です。先日はイングランドを破り、シックスネーションズでグランドスラムを達成しました。高い目標と思われたゴールに薬師寺監督率いる選手26名はたどり着きました。
ゴール達成のために掲げた“High Speed Rugby”。独自の概念“Second”“Knee Line”“BAKUHATSU”等にこだわり続け、厳しい練習、合宿を乗り越えてきたという誇りと自信を胸に戦いました。

ここまで遠征2戦(U19レンスター戦、U19アイルランド代表戦)で2敗を喫し、そこで得た手応えと課題を元にゴール達成の具体的なシナリオを作り上げて挑んだ第3戦でした。遠征中はコンディショニング管理も徹底し、負傷者がいるものの選手のピーキングは今日の試合に合わせることができました。最高の状態で描いたシナリオ通りの試合展開に持ち込んだ結果40-24、苦しい場面がありながらも一度もリードされることなく見事に勝利することができました。
(40-24でU19アイルランド代表に勝利しました。試合結果詳細はこちら

今日まで多くの方々のご支援とご協力とご理解を賜り、今日のこの成果を上げることができたことを改めて実感しております。この場をお借りして選手、スタッフ心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
明日一日24時間以上かけて、全員が家族の元に帰ることをお約束申し上げます。


3月27日

最終テストマッチ前日、第43期高校日本代表のGoal、“Beat Ireland”へ、このチームとして最後の準備の日を迎えました。これまでの通り、6:00に起床し、6:30からMobility & Walk Through。しっかり朝食とレストをとって、ホテル付近を散歩しました。レンガ造りの古く趣のある建物が立ち並ぶ住宅地に二階建てバス。この雰囲気とももうすぐお別れです。実はこの散歩も里S&Cコーチのコンディショニングの重要なメニューです。歩く距離や時間、速度まで全て計算されています。

午後セッション前のTeam MTGは、明日の試合のシナリオを全員で共有し、この遠征中、大変お世話になったUCD(University College Dublin)に移動しました。
このチームとして最後のグラウンド練習を行いました。薬師寺監督を筆頭にコーチ陣、中竹コーチングディレクターもチームの完成のため、自ら身体を張って練習に参加します。選手は直前合宿から二週間以上続く遠征とは思えない状態の良さです。

そして今日もPool Recovery。これがなければ、この段階でのこのコンディションはなかったでしょう。完全な準備で明日のテストマッチを迎えます。夜のTeam MTGでは、中竹CD、菊谷コーチ、瀬越総務からのお話があり、18時間後に迫ったテストマッチに備え、キックオフの瞬間まで最高の準備をすることを全員で共有することができました。

明日はこの選手・スタッフ全員で必ずGOALにたどり着きます。
◆Players Report


雲山 弘貴 選手
《自己紹介》
・出身校…報徳学園高校
・得意なプレー…ラン、キック
・尊敬する人…山村 知也 選手
・選出された時の感想…嬉しさとともに責任を感じた。
遠征への意気込み…絶対にU19アイルランド代表に勝つこと、チャレンジすること
《レポート》
今日は早朝にモビリティーとウォークスルーをしました。午前は睡眠をとってリカバリーをしました。
午後には約1時間、明日のU19アイルランド代表戦に向けて最終調整をしました。

 


ハラトア・ヴァイレア 選手
《自己紹介》
・出身校…日本体育大学柏高校
・得意なプレー…ラン、キック
・尊敬する人…イズラエル・フォラウ
・選出された時の感想…嬉しかった
遠征への意気込み…U19アイルランド代表に勝つ
《レポート》
今日は明日のLast Gameに向けて、最終の調整練習でした。このチームのチームワークを感じた一日となりました。
明日のU19アイルランド代表との戦いでは、必ず勝利し、日本を応援してくれる人に良い報告をしたいです。


3月26日

最終テストマッチ2日前、本日のスケジュールは、早朝Mobility & Walk Through。朝食と短いレストを挟んで、MTG、Team TRとPool Recovery。昼食後は睡眠をとって、もう一度Team TRとPool Recovery。

徹底したコンディショニングの管理により、ピーキングは28日14:00のキックオフです。我々のGoalである“Beat Ireland”に着実に進んでいます。

そして、在アイルランド大使公邸にお招きいただき、歓迎レセプションを開いていただきました。

三好大使並びにアイルランド協会ブラウン会長、以前神戸製鋼でプレーされていたマークイーガン氏、大勢の皆様に迎えられて、素晴らしい時間を過ごさせていただきました。また、専属シェフによる最高の食事に心も身体もエネルギーで満たされました。御礼として原田バイスキャプテンより記念ジャージーを三好大使に進呈させていただきました。


3月25日

テストマッチ翌日の朝を迎えました。昨晩深夜0時からアイルランドはサマータイムに切り替わったため、スタッフも含めて、寝坊しないか不安な夜でもありました。
早朝MTGでは、今日でチームを離れる遠藤U20日本代表ヘッドコーチより、メッセージをいただきました。そのメッセージは、「昨日の敗戦をどう捉えるかだけだ」ということでした。選手だけでなく、スタッフの心にも刺さる一言をいただきました。

最終テストマッチに向けて、コンディションを最良の状態にするため、里S&Cコーチを中心にMTGを重ね、スケジュール、食事内容、練習メニューとその強度を徹底的に洗い出します。今日のグランドでのTeam TRは一回、時間も30分間です。それに対して、Pool RecoveryとWalk throughそしてMTGがそれぞれ2回になりました。この限られた時間で最終戦への最高の準備を行います。

体重を管理して、コンディションのチェックとコントロール。毎日、起床時、毎練習後、夕食後の4回計測します。

バスの中では、どこからともなく音楽が流れ、皆で歌い始めます。
夜のMTG & Walk through コーチ陣から次戦へのターゲットの提示とチームでの共有。

わずかな時間もコミュニケーションをとります。
メディカルスタッフも休むことなく、ケアをしてくれています。


◆Players Report

稲吉 渓太 選手(写真左)
《自己紹介》
・出身校…東福岡高校
・得意なプレー…ラン、フィジカル
・尊敬する人…松島 幸太郎 選手
・選出された時の感想…嬉しさとともに責任を感じた。
・遠征への意気込み…絶対にアイルランドU19に勝ちます
《レポート》
今日は前回のテストマッチでの課題であったKick Offの修正をして、プールリカバリーをしました。
良いリカバリーもできたので、明日から練習ではDFを中心にチームを作り上げていき、明々後日の最後のテストマッチでは絶対に勝ちたいと思います。

河瀬 諒介 選手(写真右)
《自己紹介》
・出身校…東海大仰星高校
・得意なプレー…ラン、ステップ
・尊敬する人…湯浅先生
・選出された時の感想…責任を感じた。
・遠征への意気込み…絶対にアイルランドU19に勝ちます
《レポート》
今日はKick Off、Kick Situationの修正をした。次のアイルランド戦に向けて良いイメージができたのでこれからリカバリーをして勝ちにこだわりたいです。


3月24日

いよいよU19アイルランド代表とのテストマッチ第1戦の朝を迎えました。
このテストマッチに勝利することをGOALに定め、このチームの全てを積み重ねてきました。今日も試合開始まで最高の準備を積み重ねていきます。
いつも通りMobility & Walk throughで始まり、朝食を挟んで再びWalk through。

その後は、テストマッチまでのスケジュールに合わせて、分刻みで行動します。
ホテルのTeam Roomにおいてジャージープレゼンテーション。渡辺団長の挨拶に始まり、薬師寺監督からはテストマッチは二試合あるが、この一戦にすべてをかけようと覚悟の共有がなされ、選手は桜のジャージーを受け取り、一人ひとりがU19アイルランド代表戦に向けての決意表明を行いました。

先日のU19レンスター戦と同じDonny Brook Stadium。同じ会場と言ってもテストマッチの雰囲気や緊張感はやはり違うものでした。W-up中もやや硬くなっていた選手に対して菊谷コーチから檄が飛びます。

ロッカーへと戻りいよいよ最終段階へ、「君が代」の歌声はクラブハウス内に響き渡りました。試合開始2分前、廊下に高校日本代表とU19アイルランド代表の選手が整列し、共に入場します。その時、会場に響き渡る和太鼓の勇壮な旋律。これは先日ご紹介した現地在住の伊地知(いじち)さんが運営されている和太鼓サークルの皆さんが、わざわざ駆けつけて演奏してくださいました。その中には伊地知さんの愛娘の英子(はなこ)ちゃんもいます。魂の昂ぶりを感じて選手たちはグラウンドへと入場していきました。

現地時間12:00キックオフ。開始早々から激しい攻防が展開されました。結果は29-40。非常に悔しい結果となりました。
(29-40でU19アイルランド代表に敗れました。試合結果詳細はこちら

高校日本代表のDFは素早いPinpoint Set からBAKUHATSU的に前に出て、Knee Line & Double Tackle。この組み合わせは完全に通用し、U19アイルランド代表は明らかに苦しんでいました。ただ、この組み合わせのピースの一つ、もしくは一瞬でも崩れるとBig Gainと失点につながるだけのフィジカルとスピードそして的確な状況判断をU19アイルランド代表のチームは有しています。その象徴的なプレーとして、DFライン裏へのチップキックやキックパスをトライにつなげ、高校日本代表のDouble Tackleが少しでも遅れた瞬間には確実にオフロードパスをつなげてきます。
ATに関しては、取り組んできたHigh Speed Rugbyは明らかに機能していると手応えを感じています。
先述のDFで見事にターンオーバーし、高速展開でトライを奪う場面もあります。また、これまでの2試合とも後半は相手の足は止まり、スコアは負けていないというデータも事実であります。

我々はテストマッチに勝利することをGOALに定めて、ここまで来ました。DFで苦しめ、ATが通用していることだけには誰一人満足していません。
次回最終戦で必ず勝利し、これまで支援、応援いただいてきた皆様へのご報告ができるよう今一度、最高の準備を進めてまいります。

アフターマッチファンクションでは、選手もActive Connect!
渡辺団長のスピーチに、キャプテン同士の記念品の交換。交流の中で感じることは高校日本代表のプレーに対するRespectが見られました。

既に準備は始まっています。今日もすぐに移動してプールリカバリー。

今夜は、渡辺団長に御招待いただき、現地日本食レストランでTeam Dinnerをいただきました。渡辺団長ありがとうございます。
しっかりと栄養と休養を補充して、GOALへ向けて進みます。

◆Players Report

長田 智希 選手
《自己紹介》
・出身校…東海大仰星高校
・得意なプレー…アングルチェンジ
・尊敬する人…湯浅先生
・選出された時の感想…嬉しさと日本代表としての責任を感じた。
・遠征への意気込み…アイルランドに勝つ
《レポート》
今日はU19アイルランド代表とのテストマッチ第1戦でした。序盤から攻め込まれて苦しい時間帯が続き、多くの失点をし、負けてしまいました。しかしAT、DFともに今までやってきたことがU19アイルランド代表に通用すると感じ場面もあり、次戦に向けての手応えも感じました。次の試合は必ず勝ちます。


3月23日

U19アイルランド代表戦とのテストマッチ第1戦の前日です。今日も早朝MTGとWalk Throughから始まります。今日一日だけでもMTG&Walk Throughが三回あります。今回の遠征のスケジュールを見たとき、グラウンドでのTEAM Trainingの回数が12回、Pool Recoveryが13回、MTG & Walk Throughは早朝と夜に加えて、セッションごとにセットになっていて、合計すると31回もあります。細部にこだわり、細部を徹底する時間配分とコンディショニング。今回の遠征において非常に重要な要素となるはずです。

昨日の遠藤U20日本代表HCに続いて、中竹コーチングディレクター(CD)が合流してくれました。CDの立場はもちろんのこと、U20日本代表のHC時代を含め、多くの海外遠征を経験されているので、選手だけでなく、スタッフにとっても非常に心強い存在です。

今日のグランドセッションは午前の一回、明日の試合会場Donny Brook Stadiumのサブグラウンドで練習しました。コンディションのピーキングが明日になっていることが選手の動きを見ていると良くわかります。

Pool RecoveryとSleepを挟んで、午後はまた、ホテルでWalk Through。

夜のMTGでは、明日のテストマッチの日程の確認をした後、試合に向けて、渡辺団長、大石 徹トレーナー、里S&Cコーチから選手に向けてメッセージが伝えられました。大石トレーナーからは日頃の生活や行動の選択の基準を「強くなるため」「勝つため」とすることで、24時間全てが強くなるための時間になる、という話がありました。里コーチは自身の陸上競技選手時代の経験から勝って一人で歌う「君が代」と、戦いの前に仲間と共に歌う「君が代」の意味の話がありました。
明日は、試合前はもちろん、必ず勝って試合後に「君が代」を歌おうというメッセージが伝えられました。

最後は長田ATリーダーが締め括り、チームソングと君が代を全員で大合唱して終了。

明日は必ず「Beat Ireland!!」達成します。

 

◆Players Report

李 承信 選手
《自己紹介》
・出身校…大阪朝鮮高級学校
・得意なプレー…パス、キック
・尊敬する人…呉 英吉
・選出された時の感想…まさか自分が選ばれると思ってなかったので、嬉しさと色んな方々への感謝の気持ちでいっぱいでした。
・遠征への意気込み…一回り成長できるように世界に向けてひたむきにチャレンジしたいと思います。
《レポート》
今日は早朝にモビリティー、ウォークスルーをしました。午前にはグランドで明日のテストマッチに向けて約1時間、ゲームライクなどをして身体を動かしました。その後、プールリカバリーをしてホテルに戻り、各自睡眠をとり、リカバリーしました。
明日はこの1年間ターゲットにしてきたU19アイルランド代表との試合なので、全員で“Second”し、必ず勝利します。

シオエリ・ヴァカラヒ 選手
《自己紹介》
・出身校…目黒学院高校
・得意なプレー…タックル
・尊敬する人…Manu Tu’i Langi
・選出された時の感想…選ばれると思ってなかったので、驚きましたが、日本代表になりたかったのでうれしかった。
・遠征への意気込み…Irelandを必ず倒す!
《レポート》
今日は早朝Mobility & Walk Throughから始まり、午前は明日の試合に向けてキャプテンズランを含めた練習を短い時間で集中して取り組むことができました。その後プールや食事でしっかりとリカバリーし、明日に向けて良い準備ができました。
明日は必ず勝ちます!


3月22日

本日はアイルランドでよく見られる曇り空で、心配された雨は降っていません。U19アイルランド代表とのテストマッチ第1戦まで今日を入れてあと二日。本日はTeam トレーニング2回とPool Recoveryが予定されています。早朝、いつも通りTeam Roomに集合し、監督、コーチ陣からU19レンスター戦のレビューと今日のセッションのターゲットが提示され、選手同士で共有を進めます。

セッションでは、これまでと同じく里コーチによるSPEED/SAT。コンディショニングコントロールの成果もあり、選手の動きは、長い合宿、遠征そして試合を重ねているにもかかわらず、スピード感やキレを感じます。続いては次戦のテストマッチで当然重要になってくるDFのセッション。激しく前に出て、ダブルタックルで仕留めるために、速く、的確なセットアップ。そのための情報を得るための視野、コミュニケーション。

続いてAT、UNITと短くハードに集中する部分とゆっくり、しっかりと確認する部分をコーチ陣がコントロールしてレーニングは進んでいきます。
「これまで積み上げてきたものの徹底」と「PLUSE ONE」。

スタッフの準備とハードワークによってこのチームは今も進化、成長を続けています。

 

◆Players Report

武内 慎 選手
《自己紹介》
・出身校… 石見智翠館高校
・得意なプレー… ハイボールキャッチ
・尊敬する人… 姫野選手
・選出された時の感想…嬉しさと代表としての責任を感じました。
・遠征への意気込み…必ずアイルランドを倒します。
《レポート》
今日はDFの役割認識の落とし込みとセットについて練習しました。その中で今までいかに自分がボールばかりを目で追い、前を見れていなかったことがよく分かりました。
しっかりと一つ一つの細かいスキルまで意識してもっとレベルアップできるようにしていきます。

丸山 凜太郎 選手
《自己紹介》
・出身校…東福岡高校
・得意なプレー…相手DFへの仕掛け、強気
・尊敬する人…ウサイン・ボルト
・選出された時の感想…言葉では言い表せないような不思議な気持ちになりました。
・遠征への意気込み…Beat Ireland
《レポート》
今日は、初戦の課題であったDFとキックオフをしました。ここを修正することにより、失点を減らせると思います。テストマッチ初戦まで残り2日となり、気合の入った練習ができました

児玉 樹  選手
《自己紹介》
・出身校…秋田工業高校
・得意なプレー…ラインブレイク、オフロード
・尊敬する人…梶村祐介選手
・選出された時の感想…昨年の分も頑張らなければと思った。世界に挑戦できる良い機会だと思う。
・遠征への意気込み…今自分ができる100%を試合で出し切って大きく成長したい。
《レポート》
今日はU19レンスター戦の反省であったキックオフレシーブとキックカウンターの確認をしっかりしました。2日後に迫ったテストマッチに向けて時間は限られていますが、チーム全体のクオリティーを上げるとともに個人のレベルももっと上げていきたいです。


3月21日

早朝、誰もいないはずのミーティングルームへ準備に向うと、物音と号令が聞こえてきました。そこでは清原裕揮選手と菊谷コーチが二人だけでボクシングトレーニングをしていました。残念ながら怪我の影響で昨日の試合に出場できなかった清原選手ですが、今できる事を精一杯やろうと必死の形相でミットを打ち続けています。その彼に明るく声を掛け続け、激励する菊谷コーチ。薬師寺監督率いる第43期高校日本代表というチームの底力を感じて、初戦の次の朝が始まりました。

本日は、今回の遠征で唯一グラウンドトレーニングのない一日です。朝食を済ませて、バスに乗り込み向かった先は、先日見事にシックスネーションズで優勝した現在世界ランキング2位のアイルランド代表の本拠地AVIVA Stadiumです。そのスケールと最新の施設に選手たちは興奮していました。ガイドの方のリードで館内の説明や歴史を教えていただきました。実際にフル代表の選手が使用するロッカールームや入場口等にも案内いただきました。将来、日本代表としてここに帰ってくることを決意した選手も多くいたはずです。

その後、再びバスに乗り込み、ダブリンの中心地へ。期間中は試合会場やトレーニング施設とホテルの往復しかできない選手にとって、束の間の休息と歴史や文化を感じられる時間です。街行く人から何度も声を掛けられ、激励される度に日本代表の誇りと自覚を新たにし、この国の人々にとってラグビーというスポーツがいかに身近な存在であるかを実感する瞬間でもあります。選手達が日頃お世話になって、応援いただいてる方々へのお土産を一生懸命選んでいる姿も印象的でした。選手達にとってリフレッシュと新たなエネルギーを得た時間となったことでしょう。

その後は、早速プールへと移動し、いつものルーティンのプールリカバリーです。当然のことながらすでに次戦への準備は始まっています。

 

◆Players Report

押川 敦治 選手
《自己紹介》
・出身校…京都成章高校
・得意なプレー…パス、キック
・尊敬する人…両親
・選出された時の感想…誇らしさと責任を感じました。
・遠征への意気込み…勢いのあるアイルランド代表に必ず勝利する。
《レポート》
今日は試合の翌日ということで、リカバリーDayでした。アイルランドはじめ、各国の代表選手が使用し、歴史あるアビバスタジアムを見学し、ダブリンの街を観光しました。各々に買い物を楽しんだり、街並みや観光名所を満喫したり、心身共に素晴らしいリフレッシュができ、また明日からBeat Ireland!!を達成するべくチーム一丸となってハードワークしてきます。

 


田村 魁世 選手
《自己紹介》
・出身校…桐蔭学園高校
・得意なプレー…パス、状況判断
・尊敬する人…斎藤直人
・選出された時の感想…嬉しかった気持ちと同時に日本代表の責任を感じた。
・遠征への意気込み…自分の強みを最大限に発揮して、アイルランドを倒す。
《レポート》
今日は、午前中アビバスタジアムへ行き、グランドやロッカールームなどを見学した。
そして午後は、Free Timeでアイルランドの街並みを楽しんだ。次のテストマッチに向けて良いリカバリーとなったので、明日からまた最高の準備をしていく。


3月20日

雲一つない快晴の朝、Walk Through & Stretchから一日が始まりました。本日はアイルランド遠征の初戦、U19レンスター戦が行われます。午前中はホテルの中庭にてWalk through。

U20日本代表 遠藤ヘッドコーチが合流されました。日本ラグビーは各カテゴリーが一貫した体制での強化が進んでいます。

昼食後、ミーティングルームでジャージープレゼンテーションを行いました。渡辺団長のご挨拶に始まり、薬師寺監督から、昨年の6月からどこの国のチームより厳しいトレーニングを積み上げてきたことに自信と誇りを持って、堂々と戦って欲しいというお話があり、選手たちは桜の代表ジャージーを受け取り、一人ひとりがU19レンスター戦に向けての決意表明を行いました。

会場のDonny Brook Stadium。素晴らしいスタジアムに選手たちの気持ちも引き締まります。
コーチ陣によるウォームアップ。選手間のコミュニケーションも活発に行われ、大変良い雰囲気で準備が行われます。

いよいよ遠征の初戦がキックオフ。試合は35分ハーフで行われました。開始早々にトライを奪われましたが、選手達は落ち着いて自分達のすべきことに集中し、取り組んできた前に出るDFと低く鋭いタックルで切り抜け、一進一退の攻防が繰り広げられます。AT面でもスピードで相手を上回り、速いテンポで連続攻撃を構築していくことができました。しかし、U19レンスターもDFラインを構築し続けて、中々数的優位を作り出すことができません。前半を終えて高校日本代表19-26 U19レンスター。後半11分、24分と連続してトライを奪い。31-31の同点に追いつきました。このまま逆転を目指しましたが、28分に連続攻撃からキックパスでトライを奪われてしまいました。その後は終了間際まで高校日本代表が攻め続けましたが、トライに至らずノーサイド。31-38で惜しくも敗れてしまいました。

(31–38でU19レンスターに敗れました。試合結果詳細はこちら

特にDF、BDで取り組んできた爆発的に前に出て、低く激しいタックルの場面で反則を取られ、ペナルティ数は、高校日本代表が10に対して、U19レンスターは2と、反則からの失点が悔やまれます。
しかし、遠征初戦でU19レンスターというアイルランドでも歴史と伝統あるチームに内容は互角以上の闘いが出来たことは成果であり、スコアに結びつかなかった反省を次戦、我々のGoalである「Beat Ireland」達成のため準備を重ね、成長していきます。

試合後はアフターマッチファンクションに参加し、U19レンスターの皆様と交流を深めました。

P.S.本日は馬場コーチの誕生日でした。深夜まで及んだMTGの途中でスタッフからささやかなお祝い

 

◆Players Report

原田 衛 選手
《自己紹介》
・出身校…桐蔭学園高校
・得意なプレー…コンタクト
・尊敬する人…藤原先生
・選出された時の感想…率直に嬉しかったです。また、日本代表の責任の重さを感じました。
・遠征への意気込み…チームのために身体を張り続けます。
《レポート》
U19レンスターと対戦しました。DF、ATともに合宿の成果を出せましたが、反則が多く、勝ちきることができませんでした。今日の試合で出た課題を修正し、アイルランド代表に必ず勝ちます。


3月19日

降り続いた雪がやんで、アイルランドに来て初めて太陽の光を感じ、3日目がスタートしました。
6:30から始まった早朝セッション、今日はユニットに分かれて、Walk Through。スキルの細部まで確認します。

その後の朝食、写真の表情は硬いですが、コンディショニングが順調に進み、皆体調は万全です。

午前の練習は、昨日同様UCDにお邪魔して、雪の解けたグランドでDFを中心に思い切り走り回りました。ここでも里コーチ・大石トレーナーのコンディショニングの成果が現れ、明らかにスピードやキレが増していることを本人たちもコーチ陣も感じています。体調だけではなく、集中力もより高まり、充実ぶりを感じます。

本日はスタッフ陣を簡単にご紹介。
・渡辺団長 多くの海外遠征をスタッフとして経験されており、幅広く、的確にご指導いただいております。絶大な信頼を集める我らがBOSSです。

・薬師寺監督とSPEED MASTER里S&Cコーチ

・同級生コンビ 馬場ATコーチと今田テクニカルコーチ

・大石トレーナーとRUGBY Dr.木島

・ラインアウトリフトの実践指導 菊谷BDコーチ

午後は、明日のU19レンスター戦との試合会場Donny Brook Stadiumに移動し、Captain’s Runと会場の確認を行いました。明日はテストマッチ向けて分刻みのスケジュールを組んで挑みます。
昨日までとは全く違う景色で、選手も「太陽ってこんなに暖かいんですね」と笑っています。

その後、UCDに戻り、本日もプールリカバリー。里コーチからその手法から意義までの説明を真剣に聞く選手たち。このように徹底したコンディショニングが明日以降のパフォーマンスに現れます。

夕食後のTEAM MTGでは、木島Dr.と馬場コーチからチームに向けてメッセージが伝えられました。そして、リーダー陣からは山本 凱バイスキャプテンが、辛く、苦しい練習を乗り越えてきたからこそ明日は必ず勝利しようと初戦に向けての「覚悟」の共有がなされました。

今日は、とても素敵なゲストが応援に駆けつけてくれました。この遠征の練習会場やプール等の手配を全てやっていただいた現地在住の伊地知(いじち)さんと愛娘の英子(はなこ)ちゃんです。このような素晴らしい環境でストレスなくトレーニングができているのは、伊地知さんとジョーさんのお陰です。お二人とも本当にありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

選手全員からお礼を申し上げた後、英子(はなこ)ちゃんから素敵なスピーチをいただきました。
「昨日までは、6Nations(シックスネーションズ)でアイルランドを応援していましたが、これからの試合は全部、日本代表を応援します。頑張ってください!」

天使からの最高のプレゼントに選手・スタッフ一同はエネルギー充電完了! 疲れも吹っ飛びました。

明日の試合も応援に来て下さるそうです。伊地知さん、英子(はなこ)ちゃん本当にありがとうございます。まずは初戦、U19レンスターに必ず勝利します。

 

◆Players Report

山本 凱 選手
《自己紹介》
・出身校…慶應高校
・得意なプレー…タックル
・尊敬する人…松澤伊知哉
・選出された時の感想…アイルランドという強豪国と戦えることが嬉しかったです。また、日本代表の責任の重さを感じました。
・遠征への意気込み…できるだけ長くプレーし、自便の最大限のパフォーマンスを出し、アイルランドを倒す。
《レポート》
午前中はDFを中心に練習しました。鋭く前に出てダブルタックルでフィニッシュするイメージで行いました。午後は、明日の試合会場で短時間で集中して、試合に向けて最終確認をしました。明日の試合はチーム全員で戦って勝ち切りたいと思います。


飯沼 蓮 選手
《自己紹介》
・出身校…日川高校
・得意なプレー…速い球捌き
・尊敬する人…流 大 選手
・選出された時の感想…うれしさと共に日本代表としての責任を感じました。
・遠征への意気込み…今までやってきたことすべて出して、アイルランドに勝つ!個人的にも高いレベルの相手と試合をしてレベルアップする。
《レポート》
午前中はDFを中心に練習をし、明日のスター戦に向けた良い練習が出来た。
午後は明日の試合会場で全員で最終確認をした。最後に全員でチームソングを歌い、良い雰囲気で練習を終えた。


3月18日

アイルランド遠征が本格的にスタートします。昨夜は到着が遅くなったため、コンディションを考慮し少し遅めに起床。チームルームでのモビリティーを行いました。

昨日は写真をご紹介できませんでしたが、第43期高校日本代表10人目のスタッフ、スーパーリエゾンのジョーさんです。

29日までお世話になります宿泊ホテルの朝食。選手も大満足です。ホテルから練習会場であるUCD(University College Dublin)まではバスで10分もかかりません。

バスに乗り込もうと屋外に出てみると昨夜と変わらず吹雪でした。

UCDは広大な敷地に様々な教育施設があり、今回使わせていただく、ジムやプール、MTG Room等も素晴らしい施設で、今日は日曜日で、外はあいにくの天候にも関わらず、老若男女多くの方々がスポーツを楽しむ姿がありました。生活に根付いた文化としてのスポーツを感じることができました。
本日の午前のセッションはジムワーク中心で、里S&Cコーチの指導の下、長期間の長時間フライトで低下した身体の機能を覚醒させるべく、短時間高強度のメニューで今日も追い込みます。

昼食と仮眠を挟んで、午後もUCDへと移動し、まずはTEAM MTG。二日後に迫った初戦に向けて、High Speed Rugbyを分解し、共有のレベルを上げていきます。続いて会場をアリーナに移し、まずはHSRの心臓である里コーチによるSPEEDセッションからスタートします。その後ユニットに分かれ、細部にまでこだわったプレーが展開されます。悪天候の中このようなメニューが実施できるのもUCDの素晴らしい環境のお陰です。

更に人工芝グランドに移動し、今遠征初めてのグラウンドセッション。真っ白なグラウンドにもかかわらず、選手はいきいきと、そして集中してキレのある動きを見せていました。

夕食後もWalk ThroughとMTGで確認を行い。本日は21:00に就寝しました。

 

◆Players Report
遠征直前合宿から続くプレーヤーズリポートは、本日4名分を紹介します。

清原 裕揮 選手(写真右)
《自己紹介》
・出身校…東福岡高校
・得意なプレー…ジャッカル
・尊敬する人…父
・選出された時の感想…日本代表という責任がとても重く感じた。
・遠征への意気込み…チームの勝利のために全力でサポートします。
《レポート》
長旅の疲れの中でのアイルランドで初めてのグランド練習はとても良い雰囲気で進める事ができた。明後日には試合があるので、コンディションを整えて良い準備をしていきたいです。

アシペリ モアラ 選手(写真左)
《自己紹介》
・出身校…日本航空石川高校
・得意なプレー…Turn Over Break Down
・尊敬する人…菊谷コーチ
・選出された時の感想…素直に嬉しかった
・遠征への意気込み…”Beat Ireland”日本で応援してくれている方や一緒に戦う仲間とOne TeamでIrelandに勝つ!
《レポート》
今日はアイルランドに来て初めての練習でした。アタックシェイプを確認し、皆動けるようになってきた。明日は試合前なので緊張感のある良い練習をしたい。

 

木原 音弥 選手(写真左)
《自己紹介》
・出身校…東福岡高校
・得意なプレー…パス、縦突破
・尊敬する人…箸本龍雅先輩
・選出された時の感想…素直に嬉しかった。日本代表としての責任を感じ、ハードワークしてこうと決めた。
・遠征への意気込み…勝ちにこだわり、自分のやるべきことをしっかり果たす。
《レポート》
午前はジムでウェイトトレーニングをしました。まだまだコアが弱いことを実感しました。
午後のWalk ThroughではATポジショニングを確認し、それをグランドで試合形式でしました。コミュニケーションやラインの深さなどまだまだ良くしていきます。グランド内だけでなく、オフザフィールドの過ごし方の重要性に気づかされる一日でもありました。

山本 秀 選手(写真右)
《自己紹介》
・出身校…京都成章高校
・得意なプレー…ハイパントキャッチ
・尊敬する人…大野 均選手
・選出された時の感想…選ばれたからには自覚と責任をもって日本代表に見合う選手になりたい
・遠征への意気込み…アイルランドに勝利できるように練習、生活からしっかりやる。
《レポート》
アイルランドに着いてから初めての練習でした。雪の中での練習でしたが、アイルランドに勝利するという強いマインドがあるので、皆手中して練習に取り組んでいた。内容はATシェイプの確認とDFの立ち位置の確認でした。練習中は意識しながらやれば上手くいくのですのですが、試合中になれば、上手くいかないことも多いので、練習から意識し続け、無意識にできるようにしたいと思います。


3月17日

前日の夜に荷造りと荷物の計量、宿泊所の掃除を済ませた選手達。早朝5時半に起床し、真新しいツアースーツに身を包んだ第43期高校日本代表は、お世話になった宿泊所の皆様に御礼を申し上げ、関西国際空港に向かいました。いよいよアイルランドツアーに出発です。

大量の荷物を協力して運搬し、随時、点呼と荷物の確認を行います。規律ある迅速な行動で安全な旅を目指します。

約12時間かけて経由地であるパリ・シャルルドゴール空港に到着しました。長距離移動でのコンディションの低下を最小限に抑えるため、機内での過ごし方や水分補給、ストレッチ等を行います。

ダブリン空港へ向けて、再搭乗し、約2時間のフライトを経て、遂にダブリン到着です。飛行機からタラップに出るとなんとそこは、吹雪のアイルランドでした。暖かかった天理合宿からの気温差は体調への影響が心配されます。入国審査では少し時間を要しましたが、無事に全員が通過、荷物も全て揃いました。ゲートを出て、ロビーで待っていただいていたのは、昨年のツアーでもお世話になったリエゾンのジョセフ・モーアさん、通称ジョーさんです。日本語もかなり流暢で、何より親切で丁寧な対応をしてくださる10人目のツアースタッフです。今回は期間中完全帯同していただきます。最高のスタッフを加え、第43期高校日本代表アイルランド遠征のスタートです。

空港からバスで約20分、綺麗な街並みを抜けて、現地時間深夜12時、今回お世話になるホテルに到着しました。歴史ある佇まいの素晴らしいホテルです。長旅の疲れも見せず、選手は迅速に行動し、明朝のスケジュールを確認して、それぞれの部屋で就寝しました。スタッフはその後も準備とミーティングを行いました。スタッフは、連日の睡眠不足と時差でやや混乱気味ですが、無事一日を終えました。