高校の部活ではないクラブ組織の高校ユースチームが各地で誕生している。昨年トライアルマッチを大阪花園ラグビー場で開催したところ、当事者である生徒は言うに及ばず、父兄や関係者、一般ファンの方々の継続を望む声が相次いだため、今年は九州協会が主管して福岡のコカ・コーラウエストジャパンさわやか広場で開催された。(大会の概要はこちら)

  ラインアウトでの攻防。左側が神戸SCIX
ラインアウトでの攻防。左側が神戸SCIX

対戦したのは福岡ユースと神戸SCIXユース。大会全体をクラブの関係者でサポートし、ボール係は福岡レディースと香椎ヤングラガーズの小学生の少年少女たち。お兄さん達のゲームを楽しそうに眺めながら見事に務めた。

午後1時、野口和泰レフリー(九州公認)によるキックオフの笛が鳴った。両チームとも普段からメンバー潤沢の環境で15人制ラグビーをやっているため、チームワークやゲーム運びはしっかりしている。前半は22-10と均衡した試合展開だった。後半差がついたが、日曜日のみ活動している福岡ユースと、週2回活動している神戸SCIXとのフィットネスでの差であろう。結果は、49対10で神戸SCIXの勝利。しかし、双方とも目先の勝利ではなく、ボールを良く回し、全員でトライを取りに行こうとするゲーム運びに好感が持てた。

試合後、グランド横に昨年完成したばかりのコカ・コーラWJの研修棟食堂で、福岡県クラブ連盟の光吉氏の司会進行の下、両チーム選手のみならず、大会役員、父兄、その他大勢の方々が参加してアフターマッチ・ファンクションが開かれた。高校生の試合で本格的なファンクションはきわめて珍しいが、両チームのキャプテン、記念品の交換、エールの交換など、充実したひとときであった。ホームチームの荒木元太朗(福岡ユース)主将は、「自分たちの未熟な部分に気づかされるとてもいい機会だった。みんなで努力してゆきたい」とあいさつ。永原大奨(神戸SCIX)主将は、「全国にたくさんのユースチームができて、強豪チームとも対等に張り合えるまでになりたい」と返礼した。「ユースチームは県大会レベルでのベスト8程度の力がある。課題はフィットネス」とは初めてユースの笛を吹いた野口レフリーの講評。ともあれ、高校にラグビー部のない高校生にとって、クラブユースという枠組みでラグビーがやれることは高校生へのラグビー普及として大きく評価される。

最後に本大会開催にあたり、主管の九州協会、福岡県クラブ連盟、そして何よりもコカ・コーラウエストジャパンの物心両面にわたる手厚い支援を頂いた。記して謝意を表わしたい。

  両チーム集合写真
両チーム集合写真

福岡ユース
 

神戸SCIX
前半
後半
 

前半
後半
2
0
T
4
5
0
0
G
1
1
0
0
PG
0
0
0
0
DG
0
0
10
0
TOTAL
22
27
10
49
6
6
P/
FK
6
6

福岡ユース
学年
位置
神戸SCIX
学年
濱砂顕杜
1
1
宮脇誓良
1
古賀脩平
2
2
橋本翔太郎
2
水上聡司
1
3
小田航平
2
田代洋一郎
2
4
高野雄生
2
帆足政孝
1
5
本登博之
2
松尾龍
1
6
山下龍之介
2
白垣雄祐
2
7
萩本匡俊
1
有座健介
2
8
永原大奨
2
四ヶ所遼太
2
9
吉村達朗
3
下峰宗一郎
1
10
川崎真吾
2
吉永明人
2
11
北村遼
2
桜井大河
2
12
池田一晃
2
荒木元太郎
2
13
萩原健治
2
西野雄治
3
14
尾崎大祥
2
江浦徹尚
3
15
井上朋也
2
杉山貴昭
1
16
竹内宏伸
1
田淵愛美
2
17
東理海
1
藤島俊介
3
18
中尾侑希
3
藤嵜晃一
1
19
竹之下薫
3
林克哉
2
20
鈴木智彦
3
斉藤光
1
21
高階大輔
3
柴田雄人
3
22
板東辰弥
3
岩本俊太
3
23
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  ともに高校2年生の荒木(福岡)、永原(神戸)の両キャプテン
ともに高校2年生の荒木(福岡)、永原(神戸)の両キャプテン