3月22日、月曜日。日本ラグビーフットボール協会2階の会議室において、2004年度日本代表監督である萩本光威(はぎもと・みつたけ)氏の就任記者会見が行われました。萩本氏はフルタイムで日本代表監督を務めます。契約期間は原則として1年。以下、出席した真下昇・日本協会専務理事、勝田隆・強化委員長、萩本・日本代表監督のコメントです。

会見に応じる真下専務理事(中央)と萩本新日本代表監督(左)、勝田隆・強化委員長(右)

◎真下専務理事
「日本協会としましては、2001年から日本代表のオープン化を進め、またトップリーグの開幕等、諸大会の変革を進め努力してまいりました。昨日で日本選手権も閉幕し、これからはいよいよ日本代表がスタートします。
ここで、19日の理事会で正式に決まりました新しい日本代表の監督として、萩本君をご紹介したいと思います。萩本君の就任は、勝田強化委員長をはじめ、『世界8強進出対策会議』からの推薦などを受けて決まりました。彼の人柄、神戸製鋼コベルコスティーラーズや女子日本代表監督としての指導力など、自信をもってご紹介できる人材です。協会としてもすべての機関をもって支援していきますので、萩本ジャパンをよろしくお願いします」

◎勝田隆・強化委員長
「ワールドカップの翌年は難しい時期ではありますが、ここに待望の日本代表監督として萩本さんを迎え、発表できるのは、よいステップが切れたなと考えています。
強化委員会としては、2007年・2011年のワールドカップに向けて、日本の国民に広く勇気と感動を与えられる代表をいかにプロデュースしていくかが仕事だと思います。
日本のラグビーは世界ランキングで20位に位置しています。これを15位まで上げたいという目標をもっています。そのために、スーパーパワーズカップで優勝し、夏に来日する11位のイタリアに勝ちたい」

萩本光威(はぎもと・みつたけ)
1959年2月10日生まれ、和歌山県出身
報徳学園高校→同志社大学→(株)神戸製鋼所
現役時代のポジション:SH
日本代表キャップ:1
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【ラグビー略歴】
1982年 (株)神戸製鋼所入社
1997年~女子日本代表コーチ
2002年 女子ワールドカップ日本代表監督
1998~2000年日本ラグビーフットボール協会強化推進本部
日本A代表監督
1998~2003年(株)神戸製鋼所ラグビー部ヘッドコーチ

兵庫・報徳学園高校から同志社大学へ進学。同志社大学4年時には、明治大学を破り大学選手権大会優勝を飾る。
1982年に(株)神戸製鋼所へ入社。1988年からの日本選手権大会7連覇を成し遂げた神戸製鋼黄金期のSHとして活躍。1998年からヘッドコーチに就任し、2000年・2001年に全国社会人大会・日本選手権大会2連覇を達成。2003年同チームをジャパンラグビー
トップリーグ初代王者に導く。
日本代表としては、1987年第1回ワールドカップイングランド戦に出場した。日本代表キャップは1。
また、1997年より、ラグビー女子日本代表コーチとして指導し、2002年に開催された女子ラグビーワールドカップでは、監督としてチームを率いた経験も持つ。

◎萩本・日本代表監督
「たいへんな大役を仰せつかり光栄に思うと同時に、責任をひしひしと痛感しているところです。向井ジャパンがワールドカップでディフェンス面で非常に鍛え上げてきました。それをベースに
点をとれるジャパンにしていきたい。
世界ランキングで15位まで上がるためには、この1年が非常に大切であると認識しています。全身全霊をもってがんばっていく所存ですので、皆さんよろしくお願いします」

また会見のなかでは、2004年度の日本代表関連スケジュールと、2004年度の日本代表スコッドが発表されました。萩本監督からは「前回ワールドカップのスコッドをまず基本におき、トップリーグのなかで特に優れた選手を加えました。また次期ワールドカップも見据えなければなりませんので、大学生など若い選手も選びました」と、選出に関して説明がありました。