W杯での厳しいスケジュールを意識した韓国戦で快勝した日本代表。ARC2015優勝を決めた
photo by RJP Kenji Demura
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昨年6月のアメリカ戦以来の先発となったWTB福岡はいきなり3トライを奪い、復活をアピールした photo by RJP Kenji Demura
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4月18日の韓国とのアウェー戦では、前半終了間際までリードを許すなど、フィジカルなプレーに苦しめられた韓国との再戦。
「最初の30分間、激しくプレーできるようなトレーニングをしてきた」
エディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチが試合前に宣言していたとおり、3週間前に前半苦戦したのが嘘のように、立ち上がり早々から日本は自分たちの意図通りのラグビーを続けた。
開始1分。昨年6月のアメリカ戦以来、約11ヶ月ぶりの代表復帰となったWTB福岡へCTB田村優からのピンポイントでのキックパスが通って先制。
11分に、韓国にパスインターセプトからトライを返されたものの、16分には自陣深くでのスクラムを押した後、WTB藤田慶和が大きくゲインしてチャンス広げて、SO立川理道が韓国ゴールを駆け抜けて勝ち越した。
その後も24分にCTBカーン・ヘスケス、29分にFB五郎丸歩バイスキャプテン、39分にPR畠山健介キャプテンとトライを重ねて、31―7と大きくリードしてハーフタイムへ。
「今週は試合前にもかかわらず、あえてハードなトレーニングをしてきた。恐らく、選手たちのコンディションは90%ぐらい。過去3年間の中でも一番コンディションが良くない試合だった。それは、ワールドカップと同じ状態で臨むことを意図してのもの。ワールドカップでは初戦の南アフリア戦は100%だとしても、その4日後のスコットランド戦に100%のコンディションに戻すのは無理。今回はフィジカル面、そしてメンタル面でタフになれるかを試した」(ジョーンズHC)
3試合連続でアウトサイドCTBで先発したヘスケスも2トライを奪うなど勝利に貢献した photo by RJP Kenji Demura
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モールからNO8ホラニがトライを決めるなどFW陣のしっかり前に出るプレーも成長を感じさせた photo by RJP Kenji Demura
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ジョーンズHCは若手のプレーにも及第点
ワールドカップでの厳しい戦いを想定して、あえて100%のコンディションにせずに臨んだ一戦。
「今週トレーニングを上げっぱなしでやって、(動きが)すごく重かった」(LO伊藤鐘史バイスキャプテン)と、選手たちのコンディションは良くなかったが、それでも後半に入っても日本の勢いは衰えなかった。
福岡が2本、ヘスケスが1本と期待のランナーが結果を出し、FWもモールでしっかりトライを取り切るなど、前半同様5トライを重ねた日本は最終的には66―10までリードを広げて、ARC2015の優勝を決めた。
「また1%アップして、22%になった。アティチュードが素晴らしかった」
試合後、ジョーンズHCは、厳しいコンディションながら、80分間集中力を切らさずに戦い抜いたチームが、ワールドカップへ向けてまた1%の成長をも見せたことを喜んだ。
もっとも、選手たちの成長の実感は100分の1にはとどまらない。
「1%だけなのかな(苦笑)。イージーなミスは減ったし、コミュニケーションも取れるようになった。4月のことを考えると、かなり伸びた」(五郎丸バイスキャプテン)
抜擢した若手のプレーぶりにもジョーンズHCは及第点を与えた。
「若手はがんばった。宇佐美は80分プレーして、村田もいいプレーをした。ケンキ(福岡)にとってはいいカムバックになった。ただ、ケンキと藤田はディフェンス面で成長しないといけない」
「トライを取るというひとつの結果は達成できた。まだ、動きの部分や足りない部分はたくさんあった。もっとボールタッチの回数を増やせたんじゃないか。ディフェンスの部分でももっとコミュニケーションをとらないといけない」と、手応えと課題を語ったのは、2年ぶりの地元・福岡での試合で3トライを記録した福岡。
一方、初先発でフル出場した宇佐美も「ディフェンス、ブレイクダウン、セットピースを意識してやった。まだまだ勉強しないといけないし、オーバーのところなどで成長して何とかワールドカップメンバーとして生き残っていく」と、長い時間プレーしたことで、自分に足りないものが一層クリアーになったようだった。
ワールドカップでの厳しいスケジュールを想定して、悪いコンディションながら、3週間前とは比較にならないほど内容のある快勝をものにした日本のARC2015最終戦は23日、香港とのアウェー戦が予定されている。
ジョーンズHCはリザーブ組のエネルギッシュなプレーぶりにも高評価を与えた(写真はSH矢富)
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男子の日韓戦に先だって行われた女子ARC2015では日本がカザフスタンから歴史的勝利を収めた
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