神奈川タマリバクラブ 14-10 北海道バーバリアンズラグビーフットボールクラブ 【決勝戦 2015年3月1日(日) /熊谷スポーツ文化公園(県営熊谷ラグビー場)】 3/1(日)熊谷ラグビー場にて第22回全国クラブラグビフットボール大会決勝が行われた。 神奈川タマリバクラブが4年ぶり9回目の全国制覇を成し遂げた。 今季3度目となる両雄の対戦は1勝1敗で迎えた。 両者のプライドをかけた戦いは、今シーズン一番熱く激しく、まさに意地と意地のぶつかり合いとなった。 小雨の降るあいにくのコンディション。 北海道バーバリアンズのキックオフで試合は開始された。 前半はお互い慎重な滑り出し。キックを主体とした攻防となる。 タマリバクラブは、FB小林とSO福田のキックも冴え、それに呼応するようにFW、BKが一体となりそれをチェイスし、バーバリアンズに全く隙を与えず、エリアで徐々にタマリバが優勢に立ち、バーバリアンズ陣に迫る。 ラインアウトモールから執拗にトライを狙いに行く。 しかし、そこはバーバリアンズ。分厚いディフェンスでゴールラインを割らせない。 アタックでも、LOベンジャミン・ウォータース、NO.8馬渕、CTBロテ・トゥキリなど強力なアタッカーをダミーに使う巧みさを見せ、スピード自慢の両WTBに勝負させる。 一方のタマリバも、防戦になっても、今シーズン最高の集中したディフェンスを見せ、まったくゲインを許さない。唯一、中盤のセットプレーからバーバリアンズCTB櫻場が、 タマリバのDFラインを突破するが、タマリバの湧いてくるディフェンスにチャンスを逸する。 決勝に懸ける両チームの想いが真っ向からぶつかりあう攻防が続いた。 両者決め手を欠き、前半はスコアレスドロー。 前半終了の笛を聞くとスタンドからはため息が漏れるほどの緊張感のあふれる前半となった。 後半は開始早々試合が動く。 タマリバのキックオフから、バーバリアンズがアタックを仕掛けるとラックからSH露木からのパント。 タマリバLO井戸がキャッチしそのままラックを形成したが、バーバリアンズの鋭い出足に浮足立ち、ターンオーバーされる。 そこから連続攻撃を見せ、SO君嶋が判断よくタマリバのディフェンスライン裏へパントキック。 ラグビーボールの悪戯か、バウンドがすっぽりとWTB七戸の胸に収まり、そのままゴールラインを駆け抜けた。0-7。 先制トライでバーバリアンズはギアが上がったか、以降ポゼッションを奪い返す。 直前のペナルティーでトライにはならなかったが、再度タマリバゴールラインを陥れる局面も。 その後、PGを追加したバーバリアンズが0-10とリードし、いよいよ勝負は残り10分。 バーバリアンズの2連覇が見え隠れし始めた頃、タマリバの執念の猛攻が始まる。 直後のキックオフで、ボールをキープしたバーバリアンズはキックを選択。 このボールをキャッチしたWTB遠藤がカウンターを仕掛け、敵陣中盤まで粘ってボールを運ぶ。 その後FWがしつこく突破を仕掛けると、ディフェンスラインのわずかな隙間を突きLO松丸がログゲイン。 そのラックから、SH西田-FB小林-WTB遠藤と繋げ、ノーホイッスルトライで反撃ののろしを上げた。10-5。 コンバージョンを狙うタマリバのFB小林は、今季最高のキックで難しい位置からゴール決めてみせた。10-7。 その後も攻めるタマリバ、耐えるバーバリアンズの激しい攻防が続き、試合はロスタイムに突入する。 タマリバに残された時間は3分。敵陣中盤でペナルティーを得るとキャプテンSH西田は迷わずタッチキックを選択。昨シーズン以来、タマリバの最大の武器であるラインアウトモール。 それに全てを賭した。 敵陣20m付近のラインアウトから、HO石川が投げ入れたボールはやや乱れたものの、LO岩宮がこのボールを死守し、モールを形成する。 勝利への執念で少しずつゴールに歩み寄る。 バーバリアンズも最後の抵抗、2連覇へ最後の力を振り絞る。 しかし、わずかにタマリバの執念が上回った。 最後はSO福田・CTB飛野・WTB遠藤もモールに参加し、SO福田が逆転のトライをあげる。 この瞬間、勝負が決し、グラウンドに倒れこむバーバリアンズの選手たちと、歓喜を爆発させるタマリバの面々。 まさに明暗を分けた攻防であった。 東日本トップクラブリーグ最終節の同カードでも後半ロスタイムにSO福田が逆転トライし、優勝を決めている。 今シーズンのタマリバを支え続けた、ベテランの経験とここ一番での勝負勘がタマリバに4年ぶりの全国優勝をもたらした。 マン・オブ・ザ・マッチは、タマリバからはもう一人の優勝の立役者で若きエースのFB小林。 バーバリアンズからは、先制トライをあげたWTB七戸が選出された。 80分の死闘を演じた両チームの健闘をたたえたい。 未来永劫続くであろうライバル対決から来シーズンも目が離せない。