ユースリーダーシップ育成プログラム「RUCK’ed」実施のお知らせはこちら


事前講義(ハイブリッド)実施レポート

~ラグビーを通じた環境問題への取り組み~
1月26日にRUCK’ed(Rugby Uniting Changemakers for Knowledge, Empowerment, and Development)の第4回のセッションが実施されました。

日本の参加者は対面、インドの参加者はオンラインの参加のハイブリットで行われ、25日はフレンドリーマッチの大会運営、26日は講義とグループワークが行われました。 

Session 4: ①FOR ALL ミニ・ラグビーフレンドリーマッチ運営

本プログラムにはラグビー経験がない参加者もいるため、日本のからの参加者はインドでGreen 7’s Cupの大会運営に向けて、25日はラグビーの大会運営を学ぶために小笠山総合運動公園エコパスタジアム(静岡県袋井市)にて、「FOR ALL ミニ・ラグビーフレンドリーマッチ」に運営メンバーとして参加させて頂き、アナウンスから記録係、緊急時のメディカル対応など幅広い業務を経験しました。


その後は今までの第1回から3回のセッション振返り及び「TATVA」を用いた自己分析の結果を共有しました。



Session4: ②Sport and Sustainability (スポーツにおける持続可能性)

翌日26日は午前は日本人参加者のみ、午後からはインドとのハイブリットでプログラムを実施しました。この日は、チームビルディングと2名のゲストスピーカーから講義をして頂きました。

 

  • Voice of Youth (ユースの声) ※日本人参加者のみ

講師:高尾 文子(Climate Advocate/Climate Youth Japan/国際基督教大学 - 公共政策・社会研究修士課程)

第3回に引き続き、高尾さんに講師を務めて頂き、気候変動やユースとして活動することに関する講義をしていただきました。

国際的な場でユースを代表する心構えをはじめ、世界における環境問題への取り組みの状況を知る貴重な機会となりました。

また、実際の生活における参加者個人のCO2の排出量を確認する場面では、予想していたよりもCO2を排出している結果となり、行動を見直すきっかけになりました。

 

  • Activation in  JAPAN RUGBY LEAGUE ONE(ジャパンラグビー リーグワンにおける取り組み)

講師:野田 朝子(RICOH BlackRams Tokyo 広報担当

実際にリコーブラックラムズ東京が取り組んでいるラグビーを通じた環境問題への取り組みを紹介して頂きました。

「Be a Movement」というVisionをもとに、コニュニティの一員として活動を行う、ブラックラムズさんの活動から、社会課題の解決に貢献できるアクションをどうつくるかを学びました。

 

環境や地域活性化など様々な取り組みを行っており、実際の取り組みを学ぶことで、参加者にとっては大きな学びとなりました。

 

  • Activation sharing & Feedback session(アクティベーション共有とフィードバック)

最後はインドでのGreen 7s Cupで行うアクティビティのアイディアのブレインストーミングを広報・プロモーションとサステナビリティアクティベーションの二つのグループに分かれて実施しました。その後は全体への共有を行い、インド渡航前の最後のセッションとなりました。


事前講義(オンライン)実施レポート 

~ラグビーを通じた環境問題への取り組み~

1月5日、15日、22日でRUCK’ed(Rugby Uniting Changemakers for Knowledge, Empowerment, and Development)の第1回から第3回のオンラインセッションが開催されました。


RUCK’ed (Rugby Uniting Changemakers for Knowledge, Empowerment, and Development)とは
本プログラムは、日本ラグビーフットボール協会(JRFU)とマハラシュトラ州ラグビー協会(インド)によって実施されています。
JRFUでは、2011年から実施している「アジアン・スクラム・プロジェクト」の国際的なラグビーネットワークと、本年10月の「環境サステイナビリティ推進宣言」に基づいて実施されるプログラムとして、ユース世代を対象に、ラグビーを通じた環境問題への取り組み、国際的なリーダーシップ、マネジメントスキル習得の機会を提供し、各自のコミュニティでの実践活動、ひいてはスポーツによる社会課題解決への貢献を目指します。

今回の参加者は25歳前後の世代を中心に、日本とインドから合計16名(各国8名の男女4名ずつ)で構成されています。

またプログラムは、事前講義、インドでの活動、帰国後の個人プロジェクトの3部構成となっています。

事前講義では、オンラインと週末の対面セッションで、リーダーシップやマネジメント、スポーツとサステナビリティなどについて学びます。インドでの活動では、2月上旬からインドへ1週間渡航し、現地の環境NGOの視察や環境負荷の少ないセブンズの大会(Green 7’s Cup)の企画運営を通じて、ラグビーを通じた環境問題への取り組みについて、実践を通じて学びます。そして、帰国後の活動では参加者が学んだことを生かし、個人でプロジェクトを立ち上げ、実施します。

 

本レポートは、3回にわたって行われた事前オンライン講義に関するレポートです。

  • Session 1: キックオフセッション

第1回は主催である日本ラグビーフットボール協会(JRFU)、Rugby Association of Maharashtra(RAM)とファシリテーションを行うCommutiny - the Youth Collectiveの紹介から始まり、プロジェクト参加者の自己紹介を行いました。

最初に、プロジェクトの目的、今後の日程などが説明され、JRFUがアジアを中心として世界で行ってきた「アジアン・スクラム・プロジェクト」の紹介や、RUCK’edのハウスルールとして、日本、インドから多種多様なバックグランドの参加者がおり、母国語もみんなが異なる中で、参加者全員が自分らしく、安心して参加できるプログラムの場づくりをしていくために設定された5つのルール(※)が共有されました。

その後、参加者も自己紹介を行い、RUCK’ed参加の動機、何に取り組みたいかなどを共有しました。

英語でのプログラムのキックオフで、お互いに緊張した様子でしたが、楽しみながらお互いを知ることができたセッションとなりました。  


※5つのルール:「Your Safe Space(みんなにとって安心して参加できる場であること)」「Be Open Minded(今までの常識にとらわれず、新しいことを学ぶことに前向きに取り組むこと)」「Co-Creation(みんなで創るプログラムであること)」「Listen & Learn(お互いの意見や考えをよく聞き、お互いから学ぶこと)」「Be Critical(批判的であること)」)

  • Session2: リーダーシップとマネジメント

第2回はリーダーシップとマネージメントをテーマに開催されました。

 

  • What is Leadership? (リーダーシップとは何か?)

講師:Rajesh Nandan Singh Meher (Chief Operation Officer - ComMutiny)

インドで青少年への開発プログラムを展開されているComMutiny – The Youth CollectiveのRajesh Nandan Singh Meherさんからリーダーシップについての講義を行っていただきました。 

 リーダーシップに関する講義では、「理想とするリーダー」を挙げながら、リーダーとは何か、どの様な行動するのかなどが参加者との対話形式で共有されました。

「Leader is not a noun but a verb(リーダーとは名詞ではなく、動詞である)」と、Rajeeshさんからは共有され、リーダーとしてアクションを起こす大切さなどについて学びました。

 

  • Leadership vs Management(リーダーシップ vs マネジメント)

講師:Saif Ullah Khan ( Partnership, Marketing & Social impact Program - Rugby Association of Maharashtra)

プログラム後半ではリーダーシップとマネジメントの違いと、個人のリフレクションの方法として「TATVA」という枠組みを学びました。

「TATVA」はヒンディー語で「要素」という意味を持ち、参加者は社会、自分自身を構成する要素として、過去の経験や自分の価値観がどう影響しているのかを振り返る方法を学びました。その後はグループにケーススタディーを実施。それぞれがいろいろな場面において、リーダーシップとマネジメントの視点からどの様な行動を取るかを、具体的な例をもとに意見交換を行いました。


参加者の声:

「リーダーという言葉は名詞でなくて動詞という言葉が印象的だった」

「セッションを通じて良いリーダーという新たな価値のある理解をすることができました。またTATVAという新しいコンセプトも私生活だけでなく仕事においても役に立つと感じました」

「自己分析の方法としてのTATVAは印象的だった」


Session3: Sport for Development/ Sport and Sustainability「開発のためのスポーツ / スポーツと持続可能性」

第3回は開発のためのスポーツと、スポーツと持続可能性を中心に講義を行いました。

今回はプログラム運営メンバーワールドラグビー、そして日本とインドで環境問題に取り組まれている方からゲストスピーカーを迎え、講義を行いました。
本セッションでは、参加者がGreen 7’s Cupの準備を進めるにあたり、「開発のためのスポーツ」、「インドにおける環境変動」、「日本における環境変動」、「World Rugby における環境戦略」についての情報共有が行われました。

 

  • Sport for Development(開発のためのスポーツ)

講師:坂口麻衣(日本ラグビーフットボール協会 普及育成部門 国際協力担当)

まず「開発のためのスポーツ」では、この分野の歴史、ステークホルダーなどについて共有があり、「スポーツ開発」と「開発のためのスポーツ」の違いや、プログラムを作るにあたり、課題への理解とその中でスポーツがどう効果的に活用できるかのスコープを設定することの重要性など、参加者にとってこの分野の基礎を学ぶ機会になりました。 


  •  Climate Change in India and Japan(インドと日本における環境問題)

講師:

Pooja R Bhale(Spiritual Ecologist and Environment Educator - PROTECTERRA Ecological Foundation

高尾文子(Climate Advocate/Climate Youth Japan/ 国際基督教大学)
次に環境分野において、日本から、国際的な場や国内の政府の会議などでユース代表として活動をされている高尾文子さん、インドの環境分野で教育プログラムやアドボカシー活動などをされているPooja R Bhaleさんから、両国の環境変動について説明して頂きました。


  • World Rugby & Sustainability(ワールドラグビーとサステナビリティ)

講師:Jaime McKeown (Sustainability, Diversity and Inclusion Manager)

最後に、World RugbyのJamie McKeownさんからWorld Rugbyのこれまでの取り組みと2030年に向けた計画についてのセッションをしていただきました。洪水、浸水など、気候変動の影響による現象がどのようにラグビーに影響するのか、ラグビーでは何ができるのかなど、実際の取り組みを踏まえながら共有されました。セッションの最後には「昨日が行動するためにはベストタイミング、次のベストタイミングは今」という言葉を送って頂き、印象深いセッションとなりました。 

  

その後はインドで実際にアクティベーションを行うGreen 7’s Cup の説明とユースリーダーの役割について説明があり、アイデアのブレインストーミングを実施。

参加者は「コミュニケーション・広報」と「サステナビリティアクティベーション」の2グループに分かれ、当日大会の運営に携わります。

 

今回のセッションはプログラムの内外から多くのスピーカーを招き、ラグビーのみならず、日本、インドにおける環境変動など新たなことを学ぶ時間が多いセッションとなりました。

  

参加者の声

「適応と緩和、ワールドラグビーの持続可能計画などを通じて、今後のプロジェクトを実行するための軸や考え方など理解することができました」

「ラグビーがすでに社会問題解決に貢献していることを知ることができた。また、思いやりが社会問題に取り組むうえで大事なことだと思いました」

「地球温暖化は世界各国のみならず世界全体で大きな影響を及ぼす問題で、早急な行動が必要だと感じました。すでにワールドラグビーが環境問題に取り組んでいることを知り、心強く思いました」

 


この後、インド渡航前最後のプログラムとして、日本参加者は対面で、インドからはオンラインで参加のハイブリットプログラムを行います。